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4月9日(火)

 発表会当日。ベッドからゆっくり足を下ろす。3日ぶりに踵を床につけることができる。ガッツポーズ。右足のみ超ガニ股にして引きずればどうにか前に進むこともできる。野人岡野雅行なみの回復力。いや、肉離れになってすぐ氷で冷やし、固め、安静に過ごしたのがよかったのだろう。一分一秒でも長く安静に過ごせばそれだけ回復する気がして、会社には行かず、午後、発表会場である明治記念館に集合することにする。

 痛風発症のときも思ったけれど、松葉杖をついているわけではないので、駅や町中で私が怪我しているとは誰も気づいていない。ゆっくり歩いていると邪魔だと言わんばかりに肩をぶつけられ、目の前からスマホを手に歩いてきた青年もこっちが避けるだろうと直進してくる。しかしこちらはサイドステップが踏めないため避けることもできないのだ。単なる日常がこれほど恐ろしい世界だったとは。冷や汗をかきながら信濃町に到着。

 そして明治記念館にほうほうの体でたどり着くと、そこには長年辛苦を共にしてきた実行委員の仲間たちが迎えてくれる。私なぞ居なくても発表会は進むのだろうが、こうしてみんなが私を来たことを喜び、そこに座っていなさいと椅子を出されると、なんだか胸がいっぱいになる。

 発表会はここ数年の中ではもっとも問題なく順調に進み、滞りなく終了となす。その滞りなく進めるために一年間、いや16年間、みなで夜な夜な集まり、たくさんたくさん議論して、試行錯誤してきたのだ。

 今日ほどビールを飲みたいと思う日はないけれど、さすがにこの足で酒を飲むこともできず、打ち上げに参加せず帰宅。

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