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5月24日(金)

 なぜかトークイベントの聞き手にご指名いただき(6月5日三省堂書店池袋本店さんにて)、一足先に手に入れた小野寺史宜『ライフ』(ポプラ社/5月28日発売)を涙と鼻水止まらず電車を途中下車し、駅のベンチで号泣しながら読み終える。

 まさに"ライフ"。これがみんなの人生であり、みんなの生きるであり、みんなの命。そして僕の人生、僕の生きる、僕の命。

 本屋大賞2位と大躍進した『ひと』(祥伝社)以上にストーリーを廃しているというのに、なぜにこれほどまでに胸に響くのだろうか。もはや小野寺マジック。

 そして『ひと』に続く、フィジカルな本でしか表現できない方法で物語を締めた小野寺史宜。完全に脂が乗って、本屋大賞2位が奇跡でもなんでもないことを証明した。来たぞ、小野寺史宜の時代が──。

 と胸熱く出社し、我が社の期待の新刊『市場界隈』の販促パネルを制作。編集の高野から「取次店に搬入した新刊注文分は、沖縄の本屋さんには何日くらいで届くんでしょうか?」と訊かれ、そういえば何日で届くんだろうかと調べ慄く。そうか、そんなにかかるのか......。

 田原町のReadin' Writin'さんに『市場界隈』を、三越前のタロー書房さんに『旅する本の雑誌』を直納。沖縄にも期間限定本の雑誌出張所をこさえ、直納できればいいのだけれど。

 夜、千駄木の往来堂書店さんにて、『市場界隈』と『銭湯断片日記』(龜鳴屋)の刊行を記念して橋本倫史さんと武藤良子さんのトークイベント。満員御礼。日ごろより飲み仲間であるお二人の、リラックスした会話の中に、しかし執筆についてかなり緊張感も孕む真剣なトークが繰り広げられる。

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