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2016年3月 春眠こむらがえり号 No.393

3月 春眠こむらがえり号 No.393
定価:720円
取次搬入:2016年2月10日
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 いい人、と言われるのもいいが、いつもいつもいい人じゃ、なんだか味気ない。たまにはちょいワル、いやいや本物のワルにチャレンジだあ! というわけで、本の雑誌3月号の特集は「アウトローでいこう!」。小説の中に出てくるワルの頂点を決めるアウトロー王決定戦座談会から、実録ならず者列伝にゲッツ板谷のアウトローな叔父話、すんごい獄中記に時代小説の悪のヒーロー、そしてアウトロー小説の系譜に過激派アナーキスト伝まで、ワルは悪だがかっこいいアウトローが勢揃いの大特集! おっと忘れちゃいけない、おじさん三人組はヤクザ事務所にヴァーチャル・カチコミだ。さあ、どちらさんも肩で風切ってぐぐいと歩こう!

 新刊めったくたガイドは酒井貞道が復讐から義憤までマジギレ五連発で怒り心頭なら、都甲幸治はボラーニョ『はるかな風』で失われた世界をめぐる旅。大森望がウルトラスーパーハードSF《直交》三部作開幕を寿げば、円堂都司昭は角田光代『坂の途中の家』でずしりと重い緊張にまいった。沢田史郎が驚きの半世紀『ゴーストボーイ』に呆然とするほど感動を覚えれば、青木大輔は満州建国大学卒業生を追う三浦英之『五色の虹』でノンフィクションの醍醐味を堪能。そして北上次郎は小野寺史宣『近いはずの人』のぼんやり男に大注目! 「タ行シリーズ」の行方はどうなるか、おじさんの希望も要注目だ!

 そして今月からいよいよ西村賢太の連載がスタート。「文豪ばかりが作家じゃないと、いつか教えてくれた人たち」とは、どんな人たちか、第一回から期待大だ。さらに巻頭カラー「本棚が見たい!」にも登場する1月10日オープンの新刊書店「本屋Title」店主・辻山良雄ロングインタビューが5ページでどーんとこいなら、この作家この10冊は没後50年を経てなお面白い江戸川乱歩。そしてそして読者アンケートは「私の散歩の友本!」で、スター・ウォーズは「フォースの覚醒」。ジョージ・ルーカスをタレントとしてCMに起用した鏡明は新シリーズをどう観たか。読んでから観るか観てから読むかの「本の雑誌」3月号は散歩のお供にもうってつけなのだあ!

目次

本棚が見たい!

3月の書店 本屋Title/3月の書斎 春日武彦
吉野朔実劇場/どの物語がお好みですか? 吉野朔実
新旧いろいろ面白本/面白さ満載丁丁発止の大相撲対談 椎名 誠 

特集:アウトローでいこう!

座談会/アウトロー王決定戦 
「ならず者」たちの壮絶な生き方 栗下直也 
アウトローな叔父 ゲッツ板谷 
この獄中記がすごい! 黒田信一 
時代の転換期の悪党たち 青木逸美 
大恐慌からボーダーレスの世界まで 若林 踏
爆弾とハイミナール 亀和田 武  
おじさん三人組、「ヤクザと憲法」を観る!

文豪ばかりが作家じゃないと、いつか教えてくれた人たち 西村賢太
辻山良雄ロングインタビュー/本質的な本が売りたい
ユーカリの木の蔭で/帯の波紋(承前) 北村 薫
読者アンケート/私の散歩の友本!

新刊めったくたガイド

復讐から義憤までマジギレ五連発だ! 酒井貞道
失われた世界を辿るボラーニョ『はるかな星』 都甲幸治
ウルトラスーパーハードSF《直交》三部作開幕! 大森 望
角田光代『坂の途中の家』はずしりと重い緊張の一冊だ! 円堂都司昭
驚きの半生記『ゴースト・ボーイ』に感動! 沢田史郎
満州建国大学卒業生を追う三浦英之『五色の虹』 青木大輔
小野寺史宜『近いはずの人』のぼんやり男に注目! 北上次郎

記者の信念を描き切る『ミッドナイト・ジャーナル』 宇田川拓也
事件記者新年会の夜 小野一光
「一巡り」と置き土産 堀部篤史
本邦初訳作が多数揃ったティプトリーの短篇集 山岸真
黄昏の病める花々 秋葉直哉
NHK少年ドラマシリーズ原作本 彩古
外国人にわかりやすい地図記号 今尾恵介
踊り字にムズムズ 栁下恭平

サバイバルな読書/自分の死を先延ばしにするのには他者の死が必要である 服部文祥
着せ替えの手帖/スーツ波動砲  内澤旬子 
読む京都/「劇場型言語」の妙味 入江敦彦
坪内祐三の読書日記/
 神田の三省堂書店の棚に並らんでいた『定本正岡容寄席随筆』を購入したのは一体誰だろう? 坪内祐三
連続的SF話/「フォースの覚醒」雑感 鏡 明
南の話/謝辞について 青山 南
そばですよ/一生現役、七十五歳。優しいつゆが染み渡る 平松洋子
日本SF戦後出版史/〈宇宙塵〉第一〇〇号の巻 高橋良平
歴史小説の書き方 円城 塔
フランダース人が見た「フランダースの犬」 風野春樹
加島祥造とリング・ラードナー 若島 正
激マジスゲー男の激マジ劇的人生 矢口 誠
ホリイのゆるーく調査/文庫の解説はいつ読むのか 堀井憲一郎
歩く旅/客家土楼 沢野ひとし 
江戸川乱歩の10冊/没後50年を経て面白い乱歩の10作 逸見正和 
掲載図書索引 

続・棒パン日常/作中の本 穂村 弘
三角窓口/フロストシリーズ「会心の訳文」にうなる! 他
本屋の帰り道 徳永圭子

今月書いた人 
今月本の雑誌に遊びに来た人
後記 

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