『自由でいるための仕事術』

著者:森永博志

定価1,728円(税込)

2012年8月22日搬入

いつまでも少年でいるために

 
 二十四手観音の存在を知ったとき、そのひとつの身体に24の手を持った異形におどろいたものだ。

 なんで24もの手があるのか不思議に思っていた。仏教の書をひらけば答えは見つかるかも知れないが、自分がくらしている次元で見つけたかった。

 仏像は乱世に、救世の想いをこめて彫られる。
 野性力に満ちている。
 乱世を生き抜くに必要とする12人の24の手。多分それ!
 政治屋の手など、そこに小指ほども入ってない!

 3・11直後に、この本の企画が生まれた。乱世を生き抜いてゆく力を教えてくれる12人、24の手! 天職ともいっていい仕事を見つけ、その仕事への没頭によって自由をも手にしたクラフト・マンたち!彼らの生きる世界こそがサブ・カルチャーの最後の聖域に想える。

 ある者はその手で寺とスケボーを創る。ある者はその手でコーヒーカップの中に栄光の紋章を描く。ある者はその手で超軽量のシェルターを創る。ある者はその手で100年前のデザインの広告看板を描く。ある者はその手で非電化住宅を建てる。ある者はその手でジャマイカのケテドラムを彫る。ある者はその手で最先端のパッチワークを生みだす。他に、ハンバーガー、文房具、ステンドグラス、自主制作の写真集&フリーペーパー、自転車!

 12の、『自由でいるための仕事術』! いまもっとも伝えたい事。 (著者:森永博志)


<目次>

Ⅰ. 街と仕事

鈴木武(立川印刷所) 印刷・出版業
この街に生まれ育って、他の街のことを全然知らなくて、もうぼくはこの街からでられないなって今思っていて、その街の写真や紙にこだわって出版物を作ってる。

比内直人(NUTS ART WORKS) 看板製作・レタリング職人
俺の感覚だと、デジタル化が進めば進むほど、一部の人には、手仕事で作られる物がありがたがられるはずなんです。だから絶対にこの仕事はなくならない。

遠山健(狸サイクル) 自転車カスタム・メンテ・修理・販売業
今まで自分が学んできたことよりも、これから学ぶことの方がずっと多い。そうわかったとき、いろんなものがスーッと入ってくるようになった。

大場康司(大場組/WOODEN TOY) 宮大工/スケートボード製作
このへんに住んでる人の中には、板を加工する人、板に絵を描く人もいます。その人たちと一緒に働いて、作ったものを売って、それでお金が回っていけばいいなと。

Ⅱ. 職能の追求
真木大輔(ANREALAGE) パッチワーク職人
同じこと毎日やってる。それが全然苦じゃない。それはそれで燃えるんです。ひとりでやってるとなおさら燃える。というか、ぼくは人といっしょに仕事できない。

金子傑之(GOLDEN BROWN) 料理人
自分がおいしそうに見せようと思って工夫すれば、それはもう自己表現なんだって。それがぼくがバーガーマンになるための最初の発見、気づきでした。

澤田洋史(STREAMER COFFEE COMPANY) バリスタ・カフェオーナー
ぼくはいまでもそうですけど、やると決めたら、ウダウダ考えずに実行する。やろうと決めたときがタイミングなんです。

マイク・エーブルソン(POSTALCO) プロダクトデザイナー
「little by little、それだけ覚えておけばうまくいくよ」。「少しづつ、少しづつ」。その言葉は絶対忘れないね。

Ⅲ. これからの働き方
谷和レオ(HEAVOGON FACTORY) ステンドグラス制作販売業
もしここでやめちゃったら「俺は何のためにステンドグラスやってたの?」ってことになる。コレはつづけるしかないと覚悟しました。もちろんそれで食えるなんて思ってなかった。

不破博志(ATELIER FUWA HIROSHI) 一級建築士・大工
建築の仕事をするにしても、事務所に入って誰かの下で働くつもりはなかったし、じゃあ何処へ行くかって考えたとき、まずは現場でやってみようと。

弘内大地(TRENCHDRUMS) 楽器制作販売業
何百年も前にケテドラムが生まれたころとほとんど同じ環境で、ラスタは太鼓を作ってる。日本でそれと同じように作ってる自分が、誇らしくも感じました。

ヨシダジョータロー(LOCUS GEAR) アウトドア用品製造販売業
机の前に座っていくら頭をはたらかせても、アイデアは何もでてこない。発想をえるのは、いつも外にいるとき。たとえば自宅の裏山の稜線を歩いていると、ハッと思いつく。

あとがき

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