第151回「芥川・直木賞」決まる

文・写真=新文化編集部

第151回「芥川・直木賞」決まる
受賞した黒川氏(左)と柴崎氏

7月17日、日本文学振興会が主催する第151回「芥川賞・直木賞」の選考会が東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に柴崎友香氏「春の庭」(文學界6月号)、直木賞に黒川博行氏『破門』(KADOKAWA 角川書店)が選ばれた。

柴崎氏は短編「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」で1999年にデビュー。これまでに『その街の今は』(新潮社)で、第57回「芸術選奨文部科学大臣新人賞」、『寝ても覚めても』(河出書房新社)で第32回「野間文芸新人賞」を受賞。芥川賞は4回目の候補で受賞した。受賞会見では、「ゴールではなく、芥川賞を受賞したことで新たなスタートに立てた気持ちは変わらない。励まされるような、背中を押されるような気持ち」と述べた。受賞作は7月24日、文藝春秋から初版5万部で刊行される。本体1300円。

黒川氏は6回目の候補で受賞。「自分でもよくここまで生き残れたなという感慨がある。運が強いなといつも思っている」とデビュー30年を振り返り「物書きとしてはたくさんの人に読んでもらえるのが一番うれしい。今まで単行本で5万部以上売れたことがなかったが、10万部くらい売れれば...車でも買おうかな」とジョークを交えて喜びを表した。『破門』は受賞を受けて5刷・10万部となった。

新文化オンラインへ

« 前の記事TOPバックナンバー次の記事 »