雄松堂書店、米国政府の寄贈本を復元、435万円で発売へ

文=新文化編集部

1854年3月、ペリー来航時に日本政府へ寄贈されていたジョン・ジェームズ・オーデュポン著『THE BIRDS OF AMERICA』が、大日本印刷(DNP)によって復元され、雄松堂書店が10月1日に発売、受注を始める。世界に112セットしか現存しない同書をDNPのプロジェクトチームが5カ月半を要して、世界初の8000万画素の原寸デジタル撮影に臨み、限定100セットを製作。雄松堂書店が定価は製本版(4巻)が453万6000円、未製本版(同)が345万6000円(いずれも税込)。同書は縦1メートル横68センチメートル。「世界最大の本」であるという。1巻当たりの重さ22キログラム。すでに世界の出版社と共同出版、販売代理店契約などを締結している。国内では、輸送上のダメージを考慮して、書店や読者と直接取引を行う。書店への条件は買切。

今後、同書を雄松堂書店の本社や丸善日本橋店に展示する計画もある。雄松堂書店の会長兼社長の新田満夫氏は「洋書を仕入れる時代から、洋書をつくる時代になった。これは歴史的な出版事業である」と話している。

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