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内山 沙貴の<<書評>>
MISSING
【双葉文庫】
本多孝好
本体 600円
2001/11
ISBN-4575508039
評価:A
初めはちょっと臭いかなと思った。駆け出しの作家が必死になってかっこいいモノを作ろうとした足跡を見てしまったから。深い思い入れ、どこかで一度は見たことがあるでき過ぎた光景の描写、はかられたセリフ。でもいつのまにかそのシミが、すうっと消えて気づけば私は魅入っていた。それはもう、穴が開くくらいに。タンタンと進む会話、言葉尻に星が煌くようなセンスのあるセリフ、強引ではないのに心惹きつけてやまない意味のある素敵なストーリィ。ちょっとはまった。これは、どうしようもなくはまった。懐かしいなんてものじゃない。これは、この作家が残した道行きの残骸でしかない。その場で、その色に染まることを拒絶する、今しかないのだとういうその潔さが気持ちいい。私はこの本を宝物にするつもりである。
凍樹
【講談社文庫 】
斎藤純
本体 752円
2001/11
ISBN-4062733013
評価:B
きれいな小説だと思った。色が、音楽が、きっと心にうまく浸透していったのだろう。文章は無駄が削ぎ落とされていて、でもシャープな感じではなく、心地よい調度よさである。お話の中の絵や曲、町は、知らないのにまるで見てきたように、聞いたように頭に残る。描写はそんなに多くないのにはっきりとそれらを想像できる。わけの分からなさが全くないが、遊びがあるから堅くない。まっすぐまっすぐ話を進めてきて、最後だけ手をゆるめてぽんと突き放す。最後まで同じ調子だった。間違いのない、堅実な小説だと思った。
金のゆりかご
【集英社文庫】
北川歩実
本体 895円
2001/11
ISBN-4087473813
評価:B
地平の果てまで広がった揺れる黄金のイナホ、何重にも厚く層を固めた灰色の重たい空。ひとつの風景画の一点として描き込まれたぶれた少年の幻影。シトシトと降る雨に霞んだ道端の家々の間をすり抜けるように走ってゆくタクシー。家が、車体が雨に濡れてくすんでいる、泣いている。そして、殺す人、殺される人。やがて弾ける。すべてが恍惚と光る日に照らされて、曝されて、境界線は失われる。読んでいる間は時を忘れていた。ただ、たくさんある正解の中から無作為に一掴みして強引に結論にしてしまった感じがした。なぜこの結末にしなければならなかったのか、そこだけが最後まで引っかかったままだった。
曇りなき正義
【ハヤカワ文庫】
ジョージ・ペレケーノス
本体 940円
2001/11
ISBN-4151706577
評価:B
まだ好きなのに、どうしても別れなくてはならない恋人を、引き止められないと諦めた瞬間の、あの胸の当たりを締めつけ引き千切るような物悲しさに似ていた。どうしてももっとよい結果に導くことができた気がしてならない。でももうどうしようもなく遅い…。話は初め、2つの話に別れている。片方は本題でもう一方は後々絡んでくる伏線だとわかるのだが、中盤かなり進むまで全く接点が出てこないから、それぞれ別の話を読んでいるような気がした。そこだけが少し難点だ。しかし物語は一貫して、優しい眼差しに包まれた、哀愁の中を漂う、暖かいハードボイルドであり、読み終えたときに少しだけ、ちくりと胸の痛みを感じた。
偶然の音楽
【新潮文庫】
ポール・オースター
本体 590円
2001/12
ISBN-4102451064
評価:A
たしか3年前にこの本を読んだ。鼓動が高まり血圧は上がり、呼吸を停止させて精神の淵に立った。そんな状態でその時は読み上げた。悲劇なのに、人が傷つくことさえもいつのまにか楽しんでいる。なぜ不可避だったのかも理解できない圧倒的な暴力のただなかに主人公をぶち込み、もまれ引き裂かれて新しいものの誕生を迎える。冒頭で描かれた高速で飛ばす車の道行きのように、物語は一直線に暴走して突っ切りきった。金を失い、運を失い、夢も自由も失われるうちに、すべての意味を失い、物語の結末も失い、何もかもをめちゃくちゃにして終わった。この暴挙ぶりが堪らなくいとおしいと感じたことを思い出す。
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