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石崎 由里子の<<書評>>
サグラダ・ファミリア「聖家族」
【新潮文庫】
中山可穂
本体 400円
2001/12
ISBN-4101205310
評価:B
主人公のピアニストの女性が出会ったのは、ルポライターの女性、透子。二人は求めあい、過去を知り、今を分かちあい、未来を案じながら愛を育む。そして、互いに深く知しあうがゆえに、一年という歳月で終わりをむかえる。どんなに愛し合っても、二人の間で得られない子ども。透子は、出張先で知り合ったホモセクシャルのピアニストとの間に、桐人という男児を出産する。
そして、透子は桐人を抱え、主人公の元に戻ってくる。母性を携え、より一層女という生き物として。
しかし、再び始まりそうだった愛は、透子の交通事故死によりあっけなく終わる。子どもをのこして。
主人公の周囲には、主人公のパトロンであり、当初は愛人でもあった梅ばあ。桐人の物理的な父である男を愛していた男性、テルちゃん。人を愛することの喜びと、その先にある孤独を知りぬいている人たちがいる。
主人公が、苦手な子どもとの関わりの中から、のこされた桐人の中に、かつて愛した女性の姿を見出し、生きていこうとする姿は、愛するという感情が生み出す力の大きさを改めて教えてくれる。寒いこの季節、ちょっと高めの温度設定だが、温かくなりたい人にお薦めの作品だ。
うつくしい子ども
【文春文庫】
石田衣良
本体 448円
2001/12
ISBN-4167174057
評価:B
主人公は3人きょうだいの中学3年生の長男。その風貌からついたあだ名が「ジャガ」。
ある日、同じ中学校に通う弟が、妹の同級生を殺した。主人公は、自分の好きな植物観察で会得した「同定と分類方法」で、弟が好んでいたビデオや本、以前に書いている作文など資料の調査を始める。一つ一つの事実を受け止め、認識して、「僕」なりの理解しようと努める姿が、細かな心理描写で描かれている。
「今の世のなか、ぼくみたいに顔も成績もよくないのに、諦めだけよかったりすると生きていけない」と主人公は言っている。
弟の殺人など、中学生が受け止めるにはあまりにも大きすぎる問題ではあるものの、誰しも起こりえないことではない。だが、このような問題を、ここまで真っ向から受け止め、一瞬たりとも逃げようとする姿が見えない主人公は、あまりにも優等生的な気がする。
しかし、大人もかつては中学生だった。大人にとっては些細な問題でも、中学生という存在は、それを回避したり軽減する術を知らないから全部受け止める。あのくらい敏感だった感受性がもう一度欲しい、と感じさせてくれる作品だ。
読者は踊る
【文春文庫】
斎藤美奈子
本体 676円
2001/121
ISBN-4167656205
評価:C
著者による独自にジャンル分けされた本のタイトル、作家名などなどなど。どんどこどんどこ出てくる出てくる。
言いたい放題ではあるが、大作家の作品だろうが、食べ物ガイドブックだろうが、著者というフィルターを通した観察眼で、丁寧、意地悪、真面目の要素を盛り込みながら、評されている。ほほう、なるほど、と思わせる、最後の落ちもはっきりしている。
読んだ本が面白かったりすると、その本を読んだ人と語り合いたいと思うことがある。でも、ベストセラーかロングセラーじゃないかぎり、なかなか同じ本を読んだ人には出会わない。その点、書評本はいい。自分が読んだこのがある本の部分から拾い読みしたり、面白い本を物色中のときなんかは、ぱらぱらめくりつつ、知らなかった作家の作風や雰囲気を垣間見ることができる。
本書は、一つ一つの書評が手短で、取り扱っている数が多いので、本探しをしている人には、多くの書評集と同様に、という意味で、いいのではないでしょうか。
超音速漂流
【文春文庫】
ネルソン・デミル
トマス・H.ブロック
本体 705円
2001/12
ISBN-4167527936
評価:A
軍用船がミサイル実験中に、ジャンボ旅客機を誤射する。超高層域を飛行中の旅客機は、機体に穴が開き、操縦士は死亡、乗客の大半は酸欠で脳障害を負う。
僅かながらに生き残ったのは、トイレ等の個室にいた男女5人。唯一、セスナの操縦経験のある主人公が、なんとか旅客機の操縦を試みて、空港を目指す。
しかし、ミサイル実験の担当者は、民間機誤射との報告を受け、事故を隠蔽するべく旅客機の撃墜を画策する。通信、燃料補給等の執拗な妨害をこれでもかと画策する。
読み始めたら止まらない。最近刺激がたりないな〜、という人にはお薦めの作品だが、もちろん、それ以外の人にも。不朽の名作の名にふさわしいストーリー展開、状況描写、登場人物の心理描写のすべてトータルで120点!
そして、今の世の中、こんなシーンに遭遇する可能性は、なきにしもあらず。旅客機の乗客側から見た、事故の瞬間のシーンは、リアリティを感じる。自身の後学の為にも、シュミレーションするのにいいと思う作品だ。
どんづまり
【講談社文庫】
ダグラス・ケネディ
本体 1,200円
2001/12
ISBN-406273320X
評価:B
何者にも縛られたくないと、自由を謳歌していたつもりのアメリカ人男性。数年ごとに地方新聞記者として職場を転々とし、寝たいときに、寝てくれそうな女性と寝る。そんな男が40歳を目前に、眺めていた地図上でふと目に止まったオーストラリアを旅した。
車で5時間走っても、一台の車にもすれ違わないような人里離れたうっそうとした地で、大自然というにはあまりにも荒涼殺伐とした地に独り身を置くうちに、次第に心細くなってくる。
そんなとき、原始人的な活力を感じさせる女性に出会う。しかも若いときたら、通常男性たるもの、よこしまな考えが・・・。
そこからは先は、当人曰く核戦争。気がつくと、拉致されて、正真正銘の僻地で暮らす女の故郷で、新婚生活が始まっている。干乾びそうな亜熱帯、不条理な法律のもとに、独自の通貨を持ち、不思議で不気味な人的環境 社会から隔絶されたコミュニティ。そこから、必死の逃亡劇が始まる。
最初は、安部公房の『砂の女』的なストーリーを想像したが、そこは日本とオーストラリア。日本人とアメリカ人? おどろおどろしさよりは、恐怖の中に笑いがあって、終始楽しめる作品だ。
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