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内山 沙貴の<<書評>>
サグラダ・ファミリア「聖家族」
【新潮文庫】
中山可穂
本体 400円
2001/12
ISBN-4101205310
評価:A
真赤な血を連想させる毒々しいバラの花束、土を掘って埋めた死んだ猫の骨…この小説にはそんな不吉な表現が山ほど出てくるけれど、でもなぜかシャガールの絵のように、使われる色は濃い原色なのに全体には透き通るような透明感がある。大人も子どもも残酷さとともに、ガラス細工みたいな繊細で美しく光るものを持っている。赤でも白でもないロゼのワイン。あのかわいくて上品なロゼの芳しい色が、すうっと降りてきて物語の終幕を飾る。カーテンコールは深い宇宙の真空で、一波も打たぬ平静な心で聞きたい。その想いの純粋さに切ないため息が落ちる。終わらせるのがもったいない物語だった。
うつくしい子ども
【文春文庫】
石田衣良
本体 448円
2001/12
ISBN-4167174057
評価:A
弟が人を殺した。主人公はそれを自分で認め、弟を理解するために事件の真相を探る。さわやかな風はソワソワと話の中ではどこでも吹くのに、設定が設定だけにただではすまされない、大きなしこりがズンと心の底に残る。幼い頃から知っている、自分ひとりだけの大好きな場所。うっそうとした森にひっそりとした巨木が空を目指す、誰も知らない静かで木洩れ日の輝く場所。神聖な地。底に投射された、醜く歪んだヘドロみたいな、成長の澱。全てはここから始まる…。いろんな意味でおもしろい印象深い作品だった。
嗤う伊右衛門
【角川文庫】
京極夏彦
本体 552円
2001/11
ISBN-4043620012
評価:C
闇に見紛う黒い蝶が宙を渡り、目の前を音もなく舞っている。ハラハラと、命の金粉をこぼしながら、闇に侵され人目に晒され舞う、朽ちてゆく。美しいと思わせてドン底に突き落とす。そのやり口は見事、しかし気味の悪い後味を残す。一体私は何を口に含んでしまったのかと心配になる。夜の帳は降りて数刻、人気のない夜気染まる丘に白く咲く、大輪の華。真っ暗な闇をその足下に従えながら、妖しく微笑むように行者を惑わす。それはまるで人の顔をしたあやかしの様に、光り輝きそこに佇む。命尽きるまで、ずっと佇む…。
どんづまり
【講談社文庫】
ダグラス・ケネディ
本体 1,200円
2001/12
ISBN-406273320X
評価:A
天井からは日がさんさんと降り注ぎ、風の通らぬ囲まれた空間の空気は濁ったままじりじりと酸素を焼く。床には隙間から流れ込んだ赤褐色の泥が素足を汚す。絶望に打たれた彼は、それでもこぶしで壁を叩き割ろうとする。だがいくら声をあげても、隔離した外界に音は届かない。抑圧された閉塞の中で底知れぬ人間のパワーが炸裂し、彼の無為無作な人生が終わり、動き回る人間になる。冗談みたいな嘘の話だった。途中すごく心臓が早鳴り恐怖の吐息もついた。心のどこかでは笑っているのに、怖かった。本全体が、叫んでいないのがおかしく思えるような、強烈な小説だった。
さらば、愛しき鉤爪
【village books】
エリック・ガルシア
本体 860円
2001/11
ISBN-4789717690
評価:B
駅のホームで電車を待っていたら、きしめん屋さんの戸をガラガラっと開けて長身の白人がすっと出てきた。なんだか少しチャーミング。そんな微笑ましいお話だった。進化を遂げて人並みの大きさに収まった恐竜が、2足歩きでホクホクと現代の街を闊歩する。でもはたから見たら人間と変わらない外見だし、頭の良さも人と同じ。なんなのだそれは…なのにいつのまにか物語の世界にひたる自分がいる。しかしなんだかんだいうまでもなくこの話はハードボイルドで、気付けば結構な人死にが出ている、そんなキツめの一面もある。でもやっぱりこの恐竜の主人公の歩く姿を思い浮かべると、クスリと笑いたくなるのだけれど。
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