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石崎 由里子の<<書評>>
ららのいた夏
【集英社文庫 】
川上健一
本体 667円
2002/1
ISBN-4087474003
評価:C
自分の高校生時代を思い浮かべると、暗かった。未来設計図を描いてはみるものの、なりたい自分と、そこに届かない自身の能力不足を憂い、その先の人生を思って恐怖感に襲われた。満身の力で不安の塊を押しやっても、手のひらからあっけなくあふれていく不安は、すぐにアメーバのように押し寄せていた。暗かった〜。今の方がよっぽどラクです、生きるの。
だからというわけではないけれど、この本の登場人物たちにはどうにも感情移入できませんでした。ことあるごとに「キャハハ」と笑う明るく元気な女の子。今時こんなに単純、明朗な女子高生はいますか。周りの人たちも野球、歌手と、次々に夢が実現していく。ステップアップしていく過程の努力もさほど感じられないし、話の展開自体とんとん拍子すぎて、ラストの意図を汲み取ることができませんでした。
カップルズ
【集英社文庫】
佐藤正午
本体 448円
2002/1
ISBN-4087473996
評価:C
抑揚のないお話の短編集だな、と思いながらも、するすると読み終えてしまった。たぶん、文章が簡潔でとても読みやすいからでしょう。
もし、これが、例えば旅先で、何かの冊子を見ていて、この短編の一編が掲載されていたとしたら、窓を流れる景色に目をやりながら、淡々とした雰囲気の文体に頭もすっきりして、目的地へと向かうことができたでしょう。でも、一冊の本にまとまっているのなら、もう少しドラマ性を求めてしまう。
たいくつとはちがうのだけど、登場人物である作家の目を通した日記のように感じる。どの街にもいそうな人たちの今、過去。とはいえ、平凡に暮らす人々にだって、ちょっと誇れるエピソードや、幻想的な体験の一つや二つあると思うのです。人の人生の中で、輝いていた時間、絶望を見た瞬間など。結構皆さんいろいろ体験していませんか。
過ぐる川、烟る橋
【新潮文庫】
鷺沢萠
本体 400円
2002/2
ISBN-4101325170
評価:A
この本を読んで、まだ語るべき言葉はあるとしたら、生き続けるしかない、ということだろうか。
人生は、行く先々で枝分かれする道を選び進む、その繰り返しだ。方角を間違えて失敗に気がついても、それが自分一人で決断したものなら、自分の判断で進退を決めればいい。
しかし、人は人と関係しながら生きている。問題はより複雑になるし、その要因を探ろうにも、一つに絞ることが難しい。時間をかけて丹念に縒られてしまった原因の糸は、たいていの場合、解くことが困難で、ときには、よりいっそう捩れてしまうものだ。
この作品に強く惹かれたのは、複雑な糸を手に絡めながらも、不器用に、懸命に生き続けている人たちが描かれていると、感じられるからだ。
笑う肉仮面
【光文社文庫】
山田風太郎
本体 857円
2002/1
ISBN-4334732739
評価:A
昭和20年代後半から30年代前半に書かれた作品だが、古さはまったく感じない。テーマは、整形手術だったり、おそらく現在も研究されているだろう冷凍人間。
解説によると、時世のエピソードも取り入れられているそうで、当時を知らない私は、興味深く読んだ。授業で習った事柄を、古新聞の片隅に書かれた余話を読み、「ああ、これね」と実際に知ったような嬉しさを味わった。
主人公は、少年少女たち。幼い頃は、些細なことがとても気になるし、ちょっとした不思議が怖かったりする。事件が起きると、子どもたちは全身で受け止めて、小さな体で悩んだり、ドキドキしながらも、決して逃げない。チョコチョコ動きながら、一生懸命難問に挑むのだ。そういう姿に、胸が熱くなりながら読んでしまった。ミステリーとありますが、温かいミステリーです。
秘められた掟
【創元推理文庫】
マイケル・ナーヴァ
本体 700円
2002/1
ISBN-448827904X
評価:A
読書のあとは、高揚したり、あたたかい気持ちに、ときには暗くなったりする。けれど、この本の読後感はそのどれでもない。静かに本を閉じたあと、今こうして生きていること、行き続けていくことを赦されているような気持ちになった。嘘をついたことも、失言も、数え切れない過ちも、知っていながら、頷いてくれているとでもいいましょうか。
両親と子どもとの関係は、その時々で形を変える。けれど、どんなに関係がこじれても、双方が死ぬまで続くのが親子関係で、双方が死んでも子どもがいれば、生暖かい血は脈々と続いてゆく。亡くなった父親の残像に、とらわれている弁護士の主人公。父の存在を乗り越えられないかもしれないと思いながらも、常に現実から逃げないで生きているその姿に、生きる、という静かな力をもらったような気がした。
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