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内山 沙貴の<<書評>>
三億円事件
【新潮文庫 】
一橋文哉
本体 629円
2002/3
ISBN-4101426228
評価:A
三億円を盗るって、一体どういう事なのだろう?盗んだ彼らがその後もまた不幸な人生しか送っていないなんて信じられない話だけれど、本当は“運”なんてものは存在しないのだろうか。著者の話が進むとともに、真相の意外さに自分の身にも震えが走る。三億円事件が誰にとっても凶をなし、では何のために起きた事件だったのか?私は「三億円事件」の事を全く知らないし、私が生まれる以前にすでに時効も成立してしまっているのだけれど、数少ない手掛かりから事件の真相を知るとき、その多くは勘に頼るところがあるのではないか。著者が犯人をつきとめるまでの推理にちょっと強引なところがあったような気はする。だがこの話の中にぐいぐいと引っ張られていった。真相は、まるで映画のワンシーンに隠されているみたいな犯行とは裏腹に、動機が復讐という悲しい事件であったのだと感じた。
食と日本人の知恵
【岩波現代文庫】
小泉武夫
本体 1000円
2002/1
ISBN-4006030525
評価:A
食べ物がその民族の歴史の深さを測るとはよくいったものだと思う。歴史に全く名が残らなくとも、新しい食材、新しい調理法を発明したすごい人たちがいたのだと気付く。岩波の本だったので、難い文章を覚悟していたのだが、読んで見ると興味をそそられ、井戸端のヒソヒソ噺のようでなんだかワクワクした。まるで浸透圧の実験のように話がすうっと胸の下に降りてくるようなわかりやすい話であり、ためになるお話がいっぱい載っていて、何より読んでいて楽しかった。
人にはススメられない仕事
【角川文庫】
ジョー・R・ランズデール
本体 686円
2002/2
ISBN-404270106X
評価:B
身に衣装をほとんど着けていない女が手でバラを持ち、あらぬ方を見ながら言う。「今何時?」最高にこんがらがった毛玉を指でほどきながら私は針の指す方向を教える。「その針の先に何んの意味があるの?」ちょうどそんな感じ。不条理と無秩序のド真ン中。絡まった毛玉に刺さった針はぴったりちょうど君の額をさす。懊悩と煩悩のド真ン中。最高に意味のないツーショット。この話の主人公は初めから追い詰められていて、彼に関わるありったけの人も彼をとことん追い詰めて、踏んだり蹴ったりの生き様の末、どん底に急降下する途中で話は終わった。彼に合わせて様々なことを思い悩んだ挙句、私は彼が何事にも真剣に悩み過ぎているのじゃないかと考えるに至った。人の頭を強引に働かせてくれた、なかなか素敵な本だった。
いつかわたしに会いにきて
【ハヤカワepi文庫】
エリカ・クラウス
本体 700円
2002/2
ISBN-4151200150
評価:D
そっとすくってずっと大切にしてきたはずが、いつのまにか指のすき間から流れ落ちていた細かな砂。若い頃の勢いはなく、夫を失い自力で世界の海を漕いで進むしかなくなった無知で幼い独りの女性が、次から次へとつらつら綴られている。他人に護られ、勢いにまかせて自分の足下の地面をみることさえできなかった30代の女性の愚かさを浮き彫りにして、彼女たちの新たな発見と後悔を描く。サラもパトリックも誰も私のことを知らなくて、私は孤独、そう思っていたのに。本当は誰よりも私よりも私を知っていて、私よりも強かった。そうして私は負けを認めるの。一瞬の時の情景や人の気持は誇張されることなく文字の上に空気として浮かび上がってくる。さらりとしていて感情の嵐のような文体。話の本意は理解できなかったが、とても読みやすい文章だった。
友へ(チング)
【文春文庫】
郭景澤
本体 667円
2002/2
ISBN-4167527987
評価:A
まるで光の中にある他界のように、幼い頃の記憶はある時は美しく鮮やかで輝かしいのに全体はモヤがかかったかのように不可視で危うげで手が届きそうでいて、どこに手を伸ばせばたどりつけるのかさえわからない場所にあった。記憶が新しくなるにつれて強く「死」という文字と空気が浮かび出てくるようになる・・・・・。読中は微かな違和感を感じたが、読み終わった後にこの作品の世界が少し理解できるようになった。美しい光、鮮やかな光をバックに反射させながら、4人の“友”がふざけあって遊んだ記憶。その記憶は歯を食いしばってしか思い出せないような美しい時代、今はもう跡形もなく過去の場所へと吹き飛ばされてしまい、時が過ぎて今行くしかない道をバラバラに生きている。印象が映像となって鮮やかに残る、陽の光を受けて輝く海のような作品だった。
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