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操上 恭子の<<書評>>
チグリスとユーフラテス
【集英社文庫】
新井素子
(上)本体 686円
(下)本体 571円
2002/5
ISBN-4087474402
ISBN-4087474410
評価:A-
のっけからハマってしまった。普通、長編小説を読む時は最初の数十ページから百ペ ージくらいは様子見というか、どんな内容かわかるまで我慢して読むことが多い。S Fやファンタジーは特にそうだ。ところが本書の場合、最初の5ページでいきなり夢 中になってしまった。その後は、まったく先の予想がつかない展開で、「ああ、そう なるのか」「なるほど、そう来たか」の連続だった。テーマは「最後の子供」という SF的にはよくある怪談だが、その最後の子供を老女にしたアイディアはさすがだ。 これが本当の子供だったら、お話にはなっていなかっただろう。移民惑星が発展し衰 退していった過程も、最後の子供が生まれてしまったわけも、きちんと説明されてい て、SFにありがちな破綻がほどんどない。唯一の疑問は、何故ルナ一人がこんなに 長命なのかということだが、そこはまあ、目をつぶることにしよう。ただ、「幼女の 格好をした老女」というのが、具体的にどのような感じなのか想像できなくて困っ た。老女に知り合いはいないのだ。
うまひゃひゃさぬきうどん
【光文社知恵の森文庫】
さとなお
本体 533円
2002/5
ISBN-4334781616
評価:C+
さとなおという人が「さぬきうどんを食べ歩く話」は、もう何年も前にネットで話題 になった時から知っていたし、3年半前に単行本が出た時にも気になってはいた。 が、実際に読んだのはこれが初めて。さとなおというハンドルネームが男性のもので あることも初めて知った。趣味のものでも食べるものでも、何かにとことんハマって しまってマニアになるという話は珍しい物ではない。だが、それを家族で、しかもや っと2歳の幼児を連れて食べ歩きの強行軍となると、なかなかできることではない。 しかも、その食べ方が尋常ではないのだ。2泊3日で15軒とか、1泊2日で16軒 とか18軒とか。うどんばっかり1日に8杯も9杯も食べられるものなのか? 私な んかは、もう読んだだけで胸がいっぱい。うどんが入る余地はない。それでも、いつ か機会があったら、ここに載っている店の1軒か2軒に、是非行ってみたいものだと 思う。
嘲笑う闇夜
【文春文庫】
ビル・プロンジーニ
ハリー・N・マルツバーグ
本体 733円
2002/5
ISBN-4167661047
評価:B+
帯や表4の内容紹介、いくつか読んだ書評は間違っている。本書は「自分が切り裂き 魔ではないか」と苦悩する男達の物語ではない。登場人物達は誰も、自分が切り裂き 魔だとは思っていない。舞台はニューヨーク州にある、保守的な田舎町。読んでい て、「ああ、自分がこんな町に生まれ育たなくて本当によかった」と、つくづく思う ような場所だ。それにしても、アメリカの田舎町というのは、あんなに広い土地にあ るのに、道はどこまでも無限に続いているのに、どうしてこんなにどうしようもない 閉塞感に覆われているのだろうか。さて、本書は何人かの主要登場人物の視点で描か れる3人称多視点の手法をとっている。それぞれの場面の前に、それが誰の視点であ るかが記されているのだが、誰の視点でもない部分には、ブラッドフォードという町 の名前が記されているのが面白い。場面が緊迫してくると、この視点がくるくると入 れ代わり、中にはほんの数行づつという所もある。下手をすれば煩雑になる所だが、 実にうまく読者を引っ張って行ってくれるので、手に汗握って読むことができる。そ して、エンディング。最初はよく理解できなかった。だが、この終わりを踏まえても う一度読み返してみると、なるほどすべてが腑に落ちるのだ。計算しつくされた、見 事なストーリーというほかはない。
最も危険な場所
【扶桑社ミステリー】
スティーヴン・ハンター
本体 各848円
2002/5
ISBN-459403571X
ISBN-4594035728
評価:B
アール・スワガーの物語がシリーズ化するのことは期待していなかったので、本書は 嬉しい驚きだった。ハラハラする場面はたくさんあるが、アールがここで死なないこ とはわかっているもんね、と余裕で読めるというのもたまにはいいものだ。アールは 相変わらず格好いい。完璧なヒーロー像。が、残念ながら、前作『悪徳の都』ほど魅 力的ではないのだ。ただただ、肉体的にも精神的にもとてつもなく強靱な男であると いうだけになってしまっている。あまりにも強すぎてしまうのだ。前作にあった、悩 みや迷い、心の古傷、若い部下との葛藤、といったものがまったくなくなっている 分、薄っぺらな感じになってしまっている。それにしても、わずか数十年前を舞台 に、これほど酷い人種差別の話が成立するとは。もしかすると、今でも精神的には変 わっていないのかもしれない。アメリカという国が、改めて怖くなった。
死を啼く鳥
【ハルキ文庫】
モー・ヘイダー
本体 980円
2002/4
ISBN-4894569620
評価:B+
これでもか、というほどグロテスクな描写が続く。猟奇的な連続殺人。犯人が犯行時 に施した悪魔的な作為に加えて、発見まで時間がかかっているために、酷く傷んでい る死体。さらには、その死体を検死の為に切り開き、分類し、培養し、、、。出だし からグログロである。その検死に立ち会う担当警部が平然としているようなのも怖 い。ここまでの描写が、本当にストーリー展開に必要なのか? だが、読み進むうち にそんなことは気にならなくなる。主人公のキャフェリーは、若くて真面目で有能な 新任の警部。子どもの頃の家族の悲劇をトラウマにかかえ、恋人ともうまくいかず、 職場での人間関係にも悩みながらも、一歩一歩犯人を追って行く。途中、あっさり犯 人が判明してしまい、読んでいて焦るほどだったが、事件はそれでは終わらない。検 死や検査の結果をふまえ、ラボとも連携をとりながら、確実に犯人に近づいて行くキ ャフェリー。きっと、あのグログロは必要な描写だったのだ。トラウマのせいで誰と も深くつき合えないが、誰からも好かれるキャフェリー。今後の活躍と成長が楽しみ である。
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