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内山 沙貴の<<書評>>
跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ
【集英社文庫】
川上健一
本体 552円
2002/6
ISBN-4087474585
評価:D
人は空を飛ぶ夢を見るかもしれない。だけれど一人じゃ空には舞えない・・・そんな、切なくて、自然に逆らえない悔しい想いを抱きながら、人はそれでも夢を見る。たくさんの、かなったら素敵で命懸けで胸に想い溢れる夢。そんな夢見る男たちの物語は、しかしとても清々しいとは云えなくて、汗臭く、人間臭くて、語るには恥ずかしくて赤面しそうなものばかりだ。でも夢見ることは素敵だと思う。だって空を飛べたらどんなに素晴らしいだろう、と思うから。一つ一つの話はそんなに意外性がなく、結末が読めてしまうものも少なくないが、汗臭さを素直に描くこれらの作品は構わず最後まで読ませてくれる。読んでいる間はのめり込めた。だが少しだけ、私には臭くて苦手な小説だった。
神様のボート
【新潮文庫】
江國香織
本体 438円
2002/7
ISBN-4101339198
評価:B
どんなに豊かな感情も、閉じ込めてしまえば静かになる。がしゃんと割れそうな宙吊りのガラスみたいな、不安定を孕む、地平の隅々までを支配する凪。どこにも激しさはない静かで深い黒でどこまでも続く海の断面。不気味なほどに静かな水面。押さえつけられた狂気たち。この物語をなす感情が狂気であるとよく分かるのに、怖くない。何もかもが身近に感じられる。それほどまでに狂気は小さな日常に溢れているのだと気付き、そっと身震いをする。狂気は純粋で歪んでいて、静かだけれど危険で、危ういのに壊れずにそこにある。すごく素敵な感情が溢れていて、忘れられた日々は目に眩しいくらいだけれど、主人公たちの狂気が鏡に投写された、少しだけ心の痛む物語だった。
闇に消えた女
【講談社文庫】
コリン・ハリソン
本体 1086円
2002/6
ISBN-4062734729
評価:C
この本からイメージするのは汚れた打ち放しのコンクリートの壁と、死んだ目がさまよう社会人、捻くれた活力が注がれる特化した異常な情報社会。つまらない目的に成就しない人生、たとえ仕事で成功していようとも。なんとも悲しい世情だろうか。物より簡単に捨てられた人々の山に、破れて、擦れて、穴ができて、目を背けたくなる光景。誓いや祈りは蒸発し、馬鹿げたルールの中で生きる。しかし本書にはそんな暗いイメージも消し去る軽快さと正直さがあり、淡々と進み、読者を織り込み、レールに乗せてスイスイ走らす。大きな仕掛けはないけれど、小さな花火で少しずつ驚かし、引き込む。アメリカの社会に対する真っ直ぐな視線と、語りたいという心情の、押し付けがましくないコントラスト。実のない世界を描いた、実のあるようなないような小説であった。
幸福と報復
【新潮文庫】
ダグラス・ケネディ
(上)本体 857円
(下)本体 819円
2002/7
ISBN-4102138137
ISBN-4102138145
評価:B
己の道を行くサラやドロシー、翻弄されるジャックやケイト。どこで触れ合い、欠片が飛ぶのか。そして誰もが運命という幻想を上の方から眺めようとしていた。話は過去を経てたくさんの人の側面を描き、人は結局誰からも、自分自身でさえも理解し得ないものだと気づく。物語は長い時の間の一つ一つの出来事をかき集めて、壮大でも優雅でもない、でも平凡でもない、世界にひとつの結末へと辿り着く。壮大なオレンジで構えた大きな夕日。誰にも看取られずに街の下へと沈んでゆく。後ろを振り返ることもせず人々は歩き佇まず、ただ一時の瞬間は誰にも気づかれることがないままにゆっくりと過ぎていった。世界の運命に翻弄され続けた人生の終着点、ふとそんな言葉が浮かぶ、落ち着いた物語だった。
プラムアイランド
【文春文庫】
ネルソン・デミル
本体 各667円
2002/6
ISBN-4167661063
ISBN-4167661071
評価:A
声を出すときはとりあえず皮肉を添えとけというようなひねくれて強情な休職刑事コーリーが、歴史が親を思い起こさせる誰もが顔見知りといった島の中で起こった謎に巻き込まれる。この物語の、なんともぴったりな主人公に舞台にシチュエーションに表れている、書き手の素直に世の中を見る視線と周りを唖然とさせるほどの剛直さが心地良い。初めは手強そうに見えた事件が、それを上回る不屈の偏屈と強情さ持つコーリーの行動によってどんどん伸し倒されてゆき、プラムアイランドの名物ぶどうの木々も根こそぎ吹き飛ばしながら物語りの断片はハリケーンのもくずとなった。でもそれでもへこたれないコーリー主人公のこの物語はとてつもなく頼もしく、でもなんだかおかしくて笑ってしまった。読んでいて楽しい小説だった。
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