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内山 沙貴の<<書評>>
溺レる
【文春文庫】
川上弘美
定価 420円(税込)
2002/9
ISBN-4167631024
評価:C
少しでも強くなりたくて、夢を見た、時を経て、子どもは大空へ羽ばたく、そう、錯覚する。多分、大人は罠に嵌まるのだ。繋がれて、もがく、はたかれる。そして、夢を見なくなる。溺れる。崩れる。欠ける。埋まる。落ちる。堕ちる。沈む。溜まる。主人公たちがすっぽりはまった自ら招いたズレた世界。腐臭と渇きの中心点、進退窮まり窮屈なのに、心地良い。感情の、落ちていく渦中を描いた様は多分文学的には素晴らしい。でも何も語らない物語。ただ「私は落ちていきたくない」そう感じただけである。
退屈姫君伝
【新潮文庫】
米村圭伍
定価 620円(税込)
2002/10
ISBN-4101265321
評価:B
江戸の華、可憐な気品が鱗粉の様にひらひら蝶について舞い、柳、山川、道端の雑草に宿る生きていることを感じさせる溌剌素朴な風流、解す者も解さぬ者も一緒くたにして粋な絵にしてしまった、そんな情景を物語から思い浮かばせる。お噺しは明るく楽しく分かりやすくをモットーに、気付けばひょいと引き込まれているのが良い。知らない漢字も知らない日本語も何のその。それでも読めるのだから良いではないかと開き直ってみる。小難しさが心地良い加減の、愉快爽快な小説だった。
男の子女の子
【河出文庫】
鈴木清剛
定価 704円(税込)
2002/9
ISBN-430940667X
評価:C
好きな人ができたら別れよう。ふたりの約束はちょっと前の時代の“永遠”の幻想を裏切る。素直で切ない将来への保険。でもやっぱり追いかけてしまう、しがみつきたくなる。いなくなった恋人を探すイツオ。取り残されて、それでも彼女の帰りを待つ。いつの日か、青い空に浮かんだ飛行船を眺める。晴れた午後、海と空の境界に浮かぶタンカーが見える。落とされた不安の染みをいくつか抱えて目の前に繰り広げられる晴れ晴れとした景色。それは人が騙されてみたい幻想。なにげない日常を集めたような文章の中に、静かな意志が流れていた。それは人の生き方、矛盾に満ちていて、切なさにもどかしくなる小説だった。
わが名はレッド
【ハヤカワ・ミステリ文庫】
シェイマス・スミス
定価 714円(税込)
2002/9
ISBN-4151735518
評価:C
空中に浮かんだ黒い染み。それはたえず目の前に在るのに誰も見ようとしない“穴”。その漆黒に魅せられたのはそこに身を落とした証拠。人は全能ではないけれど可能性は無限である。闇の力は絶大で、手に入れることを夢にみる、だがあまりにも罪深い。“犯罪”という言葉がぴったりな内容は、たまに目を背けたくなるような薄ら寒い描写と、全体を貫くクールで高度で洗練された“プロ”の思考による計画が淡々と語られ、でこぼこでシャープな起伏を見せながら進む。余計なものをカットして、物語に必要なものだけを残して描かれた、完成された小説だと感じた。
雨に祈りを
【角川文庫】
デニス・レヘイン
定価 1000円(税込)
2002/9
ISBN-4042791050
評価:B
雨に祈りを、悪魔に祈りを。明るく清潔そうな人に隠された、醜悪で泥に塗られた顔。初めの印象とはあまりにも違う。時を経て人を経て、霞んだ雨の向こう側に泥の溜まり場が見える。立ち向かう主人公たちの価値観を変え生活を変え生き方を総動員して物語は実のない解決を誘う。虚しさはない。少しシラけるだけ。多分それが一生懸命の結果だったから。テンポとタイミングの良いおしゃれな言葉と文章は、内容とは別に読んでいて気持ちが良かった。前作と比べると主人公も物語も“疲れた”感じがする。郷愁とでもいうのだろうか、季節でいうなら“秋”である。次作は凍てつく冬なのだろうか。できれば冬越えをして、春の暖かい日差しを感じたいものである、と思う。
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