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松田 美樹の<<書評>>
クライマーズ・ハイ
【文藝春秋】
横山秀夫
定価 1,650円(税込)
2003/8
ISBN-4163220909
評価:B
読後の評価が変わることはあまりないのですが、この本に限っては、すぐの評価はAAだったのが日が経つにつれAになり、結局Bに落ち着いたという、私の中では珍しい1冊。というのも、いい作品なだけに後から思い返すことが多く、もう少しこうだったらと欲が出て、評価が落ちてしまいました。
主人公は群馬県の新聞社に勤める記者。彼は会社の同僚と山登りに行こうと約束したものの、日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落したため行けなくなってしまう、というところから物語は始まります。一昔前の新聞社が主な舞台になっているせいか、女性があまり登場しません。出てくるのは、新人記者、妻、娘、友人の妻、以前部下だった男の娘くらい。男性の登場人物たちが仕事や友情に情熱を傾けるバラエティあふれる人柄に描かれているのに対し、彼女達は型にはまった性格ばかり。どの人物にも魅力を感じません。ストーリー自体はとても面白いのですが、その点が気になりました。
まひるの月を追いかけて
【文藝春秋】
恩田陸
定価 1,680円(税込)
2003/9
ISBN-4163221700
評価:A
ひょんなことから、失踪した腹違いの兄を探しに、彼の恋人・優佳利と一緒に奈良県を旅することになった静。あまり繋がりのなかった兄の足取りを追ううちに、深く彼を理解していく静でしたが、物語は早いうちに違った様相を見せ始めます。のんびりした時の流れの中にある奈良と違い、ストーリーの展開は早く、「こういうお話ね」と思った途端に違う方向へと流れていきます。
読みながら、登場人物と一緒に奈良を旅しているような錯角に落ちました。遠い過去の、学生時代に行った修学旅行での奈良を思い出し、懐かしい気持ちになれた不思議な作品。え?と驚く意外性から飽きることはありませんが、ただ残念なのは優佳利のキャラクターがもっと極端に描かれていればよかったということ。特異な人物として登場していますが、それが今一つ伝わってこないように感じました。
日曜日たち
【講談社】
吉田修一
定価 1,365円(税込)
2003/8
ISBN-4062120046
評価:A
東京で一人暮らしをする若者5人を描いた連作長篇小説。医者志望の彼女がいる男や、付き合う女性にことごとく振り回される男など、いずれもこんな人って近くにいるかもしれないと思わされる5つのお話から成っています。
中でも3番目の「日曜日の新郎たち」が秀逸。結婚を考えていた彼女に事故死された主人公と、妻に先立たれた父親との微妙な距離感がいい!
男親と息子の、付かず離れずの距離を保ちながらも、心の底では繋がっている関係が上手く描かれていています。また、酔っ払いながら最後に言う父親の台詞が良くて、読み終わった後からじわじわと心に染みてきました。
吉田修一は今まで何冊か読んでいますが、何の気負いもなく、自然に彼の世界に入って行きやすいのが特徴だと思っています。手を伸ばせば届きそうな日常の中で起る出来事に、知らず知らずどっぷりと浸ってしまう心地よさ。時折ハッとさせられるラストシーンも一興です。
光ってみえるもの、あれは
【中央公論新社】
川上弘美
定価 1,575円(税込)
2003/9
ISBN-4120034429
評価:AA
いいなあ、家族小説(あるいは青春小説)。曾野綾子の「太郎物語」や、山田詠美の「ぼくは勉強ができない」など、親とある程度の距離を持ちながら真摯な精神で成長していく青年に惹かれてしまう私。思わず鼻息荒く読み始めてしましましたが、期待以上でした。
作者の作品はどれも独特な雰囲気に満ちていて、匂いのいい湖の底にいるような気がします。生臭さがなく、熱くもなく、一生懸命なところがなく。そんな人の家族小説ってどんなだろう?と思いましたが、どこか淡々とした、でも若者らしく恋もあり、友情もあり、家族愛ありのほんわりした小説です。何となく相容れない感じがしていた、川上弘美と家族小説でしたが、これもありかなと感じました。
しかし、どうしてこういうお話(女性作家が書く、男の子の成長物語)って、パワフルな女性(母親にしても恋人にしても)対ナイーブな僕って感じになるんだろう?
そのナイーブさが好きなんですけど。
安楽椅子探偵アーチー
【東京創元社】
松尾由美
定価 1,575円(税込)
2003/8
ISBN-4488012930
評価:C
小学5年生の衛が、自分の誕生日プレゼントにアンティークの椅子を購入。ただし、この椅子、単なる古ぼけた椅子ではありません。何しろ人格はあるし(上海生まれの初老の男性です)、喋るし、推理(!)までしてしまいます。衛と衛の同級生・芙紗が出会う不思議な事件をこの椅子(アーチー)が文字どおり、安楽椅子探偵として謎解きしていきます。
うーん、あまりの設定に笑ってしまうしかないんですが、最後の事件のアーチーの謎について判明する話は、ちょっと無理があり過ぎるように感じました。ま、最初の設定からすごいので、それについて行けなければ読むのは厳しいかも。微笑ましいとも言えますが。子供の頃に探偵小説好きだった、という人にはちょっと懐かしい気持ちになるような作品ではないでしょうか。