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藤井 貴志の<<書評>>
ららら科学の子
【文藝春秋】
矢作俊彦
定価 1,890円(税込)
2003/9
ISBN-4163222006
評価:C
30年前に日本を脱出し、密入国で舞い戻った中年男性が主人公。「日本と中国」「過去と現在」「都会と田舎」といった様々なギャップを軸に物語りは展開する。30年ぶりに東京で浦島太郎状態に陥り身の置き場を全く見失った主人公は、想像を超えた現代の東京を前に、初めて自分自身と向かい合う。それなりにアクティブな活動家で指名手配までされ国外へ逃亡した彼でも、実際は世の中の流れに身を任せてきたことに気がつく。そして今、21世紀の東京でもみくちゃにされながら自分自身を取り戻していく。
僕は残念ながら1960〜70年代に青春時代を過ごしてはいないので、小説の舞台を自分の体験に重ね合わせることはできなかった。それでも、当時の模様が現代との対比でていねいに語られているので、当時のようすを知らなくても十分にリアルだ。ただ、巨人には長嶋がいて、大阪万博に沸き立ち、よど号事件の顛末を固唾を呑んで見守った……、そんな世代の人たちであれば、もっともっとのめり込めるはずだ。
HELP!
【光文社】
久美沙織
定価 1,470円(税込)
2003/9
ISBN-4334924069
評価:C
『HELP!』は元気のいい小説だ。富士山麓の下九一色村を舞台に、村の人々と牛たちが痛快で人間味あふれるドラマを演じている。それにしても、小説全体に漂うこの元気のよさはどこから来ているのだろう……?
わかった! 『HELP!』に登場する人たちは、全員“ハイテンション”なのだ。村で暮らす酪農家の人々だけではない。ちょっとしたトラブルで村に迷い込んでしまい、村にBSE騒動を引き起こそうとする若者たちはもちろん、人生に絶望して青木が原の樹海で自殺を図ろうとするサラリーマンまで、そう、だれもがいずれ劣らぬハイテンション野郎なのである。
このノリはまるで新喜劇である。ちょっとした出来事にもみんなが一丸となってぶち当たる姿が、時には笑いを、時には切なさを感じさせる。心にずっしり響くものはないが、喜怒哀楽のメリハリがきいた読後さわやかなドタバタ活劇である。
東京湾景
【新潮社】
吉田修一
定価 1,470円(税込)
2003/10
ISBN-4104628018
評価:A
じくじくと心に染みた。携帯電話の出会い系サイトで知り合った男女。付き合いは次第に深くなっていくが、お互いに完全には心を開けないでいる。そんな今でこそどこにでもありそうな2人のラブストーリー。
きっかけが「出会い系」という設定だったのであまり期待をしていなかったが、いい意味で見事に裏切られた。互いを十分に観察して理解し合う時間をもたないまま付き合い始めた2人の、不安定に揺れ動く気持ちの様がもどかしくなるほどよくわかる。相手が本気ではないだろうと頭では理解しているが、心は次第に相手を求めるようになっていく。この展開では「やがてお互いのすべてをさらけ出して……」となっていくことが多いが、そうならないところもいい。主人公が小説のモデルになったいきさつにはやや唐突な印象もあったが、結果としてこの事も主人公のバックグラウンドを整理整頓するのに一役買っていた。どこか冷めたまま、気持ちのすれ違いを残したままで迎えるラストシーンはさりげないけど実に劇的である。
天正マクベス
【原書房】
山田正紀
定価 1,995円(税込)
2003/9
ISBN-4562036834
評価:D
織田家の傍系につらなる人物が主人公。多くの歴史ミステリーがそうであるように、本書にもいかにも妖しげで一癖ありそうな登場人物が何人も登場する。各セクションは前半でこうした人々によって謎かけがなされ、後半戦でその種明かしがなされるのだが、どれも今ひとつピンと来ない。というか、謎そのものがまったく「気にならない」。
また、これらの「謎かけ(≒ミステリー)」は、いずれもストーリー上において必然性のあるものではない。「じゃぁ何?」という話にもなるが、「そろそろこの辺で謎の1つもあったほうがいいだろう……。うむ」という意図があるのかどうかは知らないけど、どうもそんな感じで“イベント”が連なっていく感じがした。
物語はやがて日本の戦国史上最大のイベントとリンクしていくが、物語自体が小粒に思えてしまうため、歴史上重要な“あの”事件とは不釣り合いな印象を受けた。
太ったんでないのッ!?
【世界文化社】
檀ふみ・阿川佐和子
定価 1,365円(税込)
2003/9
ISBN-441803515X
評価:A
僕は断食フリークだ。断食といっても宗教的背景はない。3日間、決して美味くはないドリンクだけを飲んで過ごす“ファスティング”というやつだ。日ごろの不摂生の代償とはいえ、健康体を取り戻すためには3日間あらゆる“食の誘惑”に打ち克たなければいけない。そのため断食中は、飲食店が立ち並ぶ目抜き通りを避け、ひと気のない裏通りを行き来する。くつろぎのひと時のテレビもガマンだ(なぜかって? スポンサーの意向かどうか知らないけど、ほとんどの番組に“旨そうな食べ物”は欠かせないアイテムなのだ……)。こうして断食中はひたすら読書にいそしむ。本の中の食べ物は想像物でしかなく、自分でコントロールできるから。
しかし、この本ばかりはそうはいかなそうだ。“魔味、きわめて淫靡”と称されるフグの白子リゾットはもちろん、1人前が10万円は下らないという静岡の超高級寿司店の背トロも、中国雲南省で十六〜十七の結婚前の乙女が摘む上等のお茶も、う〜ん、どれも生きてる間に一度は食べてみたい。美食の道を驀進するアガワ、ダンのお二人の執念も、くすぶりはじめた食欲の火種に油を注ぐ。この本は断食の敵、いや摂食中枢の敵だ!