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僕たちの戦争
荻原浩 (著)
【双葉文庫】
税込820円
2006年8月
ISBN-4575510866
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
松井 ゆかり
評価:★★★★☆
希望がある結末にも思えるし、ものすごく救いのないものだという気もする(吾一はもちろん健太についても)。
終戦から60年ちょっと。もう直球で戦争を描くことはほとんどの作家には無理なのか(果敢に挑戦しているのは古処誠二氏くらい)という気がしていたところへ、タイムスリップという変化球を取り入れながら戦時中の人間を主人公のひとりに据えたのが新鮮さを感じさせる作品である。
1944年の世界からやってきた吾一が、喧噪に満ちた現代の日本の姿を見て抱く、「自分たちがこれが、自分たちが命を捨てても守ろうとしている国の五十年後の姿なのか?」という悲嘆は重い。しかしいろいろと問題はあるにせよ、強制的に死を選ばされることのないこの世界を私は大切にしていきたい。自分たちの幸福は戦争で踏みにじられた多くの人々がいたからこそ成り立っているのだと、改めて思わされた戦後61回めの夏だった。
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西谷 昌子
評価:★★★★★
とにかく楽しかった。現代の若者と昭和19年の青年が入れ替わる。私が最も楽しんだのは過去から現代にタイムスリップした吾一の行動、考え方、そしてその変化だ。彼にとっては見るもの全てが驚きで、私たちが見慣れた日常に対して毎回新鮮な反応を返してくれる。場面ごとに、これを見たら彼はどう思うのだろう?とワクワクハラハラした。英語の看板やミニスカートがあふれた現代の光景を見て、「アメリカ地獄だ」と思うところなんて相当面白い。たしかに昭和19年の人間はそんな言葉で表現しそうだ。
主人公は二人ともけして特異な人間ではないのだが、考え方も行動も細かく描かれていて、右往左往しながら生きていく様子がよくわかる。主人公二人を愛してしまう。そして最後まで読み終えたとき、しんみりしながら物語を一から思い返さずにはいられなかった。そんな素敵な小説だ。
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島村 真理
評価:★★★★★
私にとって太平洋戦争は祖父母の時代で、いまの私たちが知るには“歴史”として学んだり聞いたりする以外はない。しかし、もしも時空を越えることができてしまったら?
現代の健太は海での“アクシデント”によって昭和19年の青年吾一と入れ替わってしまう。おいおい、そんなのありですか〜?と突っ込みたくなるが、それぞれの時代で困惑する2人に、きちんと笑わせられる。
未来にきた吾一には、飽満で平和な時代とへの驚きとギャップのおもしろさが、過去にいってしまった健太には、戦中の理不尽さにたえつつも、しっかりと適応していく狡猾さと強さが意外とたのもしく、人間大切なのは環境なのかなとも思わされる。
しかし、考えさせられるところもある。まず戦争は過去のものではないということ。幸い日本は戦争をしていないが、世界の各地でそれは止むことはない。
そして、あのとき日本が、日本人が命をかけて戦って守ろうとしたものがいまはどうなっているのか?過去から問われている気がする。答えは出ていないけれど。
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浅谷 佳秀
評価:★★★★☆
一昨年、初めて鹿児島・知覧町の特攻基地に行った。そこで目にしたものを私は忘れられない。特攻で戦死していった若者たちひとりひとりの顔写真、遺品、遺書。そして彼らがどの戦場でいつ死んだのかという記録。写真の彼らはほとんどが坊主頭。もちろん誰も髪を染めたりなどしていない。澄んだ目をしてまっすぐこっちを見ている。しかし顔立ちは今どきのお兄ちゃんたちと変わらない。ごくふつうにそこらの街角を彼女と手をつないで歩いていそうだ。そんな彼らが従容として、あるいは苦悩しつつも、自ら死に赴く運命を受け入れていったことが、何か非常に不条理な気がした。彼らが命に代えて守ろうとしたのは何だったのだろう。彼らが、もし今の日本を目の当たりにしたらどう感じるだろうか……とそのとき私は思った。あの場所で、私と同じような感慨を抱く人は、おそらく少なくないのではと思う。
この作品を読んで、そのときの気持ちをまざまざと思い出した。タイムスリップというストレートな仕掛けにもすんなり入り込めて一気読みした。深刻な内容ながら適度なユーモアがまぶされていたし、余韻を残すラストもよかった。
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荒木 一人
評価:★★★★☆
主人公は二人、ネタは、よくある「タイムスリップ」と戦争。筆者の力で、なかなかに読み応えのある、よく出来た作品に仕上がっている。
風化する戦争、猛暑の時期に思い出したように語られる。本の中で、映像の中で。年々減少する戦争経験者。与えられた平和を貪る我々に、何を教えてくれたのだろう。
主人公のひとりは、尾島健太。二〇〇一年から迷い込んできた、バイトを首になったばかりの正真正銘プータロー、サーフィンとコーラが大好きな、「根拠無しポジティブ頭」の十九歳。
もうひとりの主人公は、石庭吾一。昭和十九年、霞ヶ浦海軍飛行隊・飛行術訓練生で「海の若鷹」に憧れる。妹思いの「石部金吉」の十九歳。
ある日、この二人が入れ替わってしまった……。
よく、人間の営みに差は無いと言うが、本当にそうだろうか? 時代によって生き方の選択が出来ない時と、出来る時では、自ずと変わるように思えてならない。
果たして、どちらの主人公が幸せだったのだろうか……。
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