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今月の新刊採点
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【単行本班】2006年11月の課題図書
愚者と愚者(上・下)
打海 文三(著)
【角川書店】
定価1575円(税込)
2006年9月
ISBN-4048737198
ISBN-4048737201
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川畑 詩子
評価:★★★★
欲望に忠実でおそろしく頭の良い女の子と、律儀で無学ゆえに軍隊の中心人物になってしまった男の子の一大叙事詩。任侠で結ばれた結社的性格のマフィアと軍隊、そして実験を握ろうとするあまたの勢力とが群雄割拠して、激しい内乱を繰り広げる近未来の日本。舞台は東京都市部と近郊なのでイメージしやすいはずなのに、どうしても頭がついていかない。外国の紛争地域を思い起こしてやっとリアリティーを感じられるばかり。どうもこの作品からは、あなたの想像力貧しくない?と鋭く問いかけられている気がする。
その中で私が強く感じたのは、女こどもやトランスジェンダーたちマイノリティーの存在。作者はどうしてこんなにマイノリティーの気持に迫れるのだろう。女の子が兵士やマフィアとして暴れたり、自分の欲望に忠実な世界を描けたのはなぜなのかそれがとても気になるのだ。と同時に、ここではもっと深いものが描かれているようなのに、読み取れない感じがしてもどかしかった。
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神田 宏
評価:★★★★★
応化16年、激しい内乱を経た首都圏は主要軍閥の、宇都宮軍、旧政府軍、仙台軍、常陸軍に分割統治されていた。平和への希求から各軍閥は「暫定統治評議会」を設置し、「首都圏特別州議会選挙」の実施を模索するが、難民として流入した外国人の選挙権をめぐってテロの嵐が再び襲いかかる。作品のはじめから、硬質でリアルな文体が読者を硝煙立ち込める戦場へ無理やり引きこまずにはいかない。常陸軍の孤児軍司令官、海人を主人公に激しい戦闘が繰り広げられる。ゲイやレズビアン、トランスジェンダーといった性的マイノリティが武装し、それぞれを抑圧する暴力装置に対抗する。倒錯した性癖の持ち主を許さないナショナリストは容赦ない弾圧を加える。海人の常陸軍もゲイ部隊が独立をはかり、それを阻止しようとする海人の戦友、俊哉はゲイ兵士を虐殺してしまう...... 難民問題とジェンダー。それぞれの大儀がアイデンティティを強くすればするほど、自らの外部に「異質」なものを仮想敵として想定し、容赦ない弾圧を加え、さらにそのことがより自己の存在を強固にしてゆく。ナショナリズムの高揚と、差別の発生のメカニズムが、エンターテインメントの手法で鋭く語られている。現代人が抱える、そして未来に直面するであろう問題提起だ。そんな中でラストに1つの解決の予感が待っている。それは滑稽な悲劇として語られるのだが、「男でもなく、女でもなく、性の境界を移行しつつある人」=トランスジェンダーの存在がヒントです。軽やかに移行しつづけるそのイメージは硝煙の向こうにかすかだが自由の希望を感じさせるのだ。
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磯部 智子
評価:★★★★★
あの衝撃的な『裸者と裸者』からもう2年か……本を手にしただけで高揚感が甦ってくる。
表紙が変った、厳しい戦士の姿が少年少女になった。過去のような未来のような世界で内戦が日常化し暴力とセックスが溢れている。生きることに真剣で誠意を持って向き合うなら戦わざるをえないことがよく解る。徹底的に血が流れおびただしい死の中でも、心を麻痺さすこと無く考え続ける。彼らは人間がもつ偏見を相手に戦っている。性差別、人種差別、トランスジェンダーと呼ばれる人々。作家は自分とは異なる人間に対する抜群の想像力をもち彼らが生きていくことを力強く肯定する。上巻は海人、下巻は椿子が主人公になり、その内側から激しさと切なさを描き出す。私の心の中に残る少年少女が共鳴し、その世界に行った記憶がしっかりと刻み付けられる。彼らは戦い続けてこの先何処へ行き着くのか、読み終えてすぐ続きを知りたくなり、これから現実社会で血を流さず出来ることは何なのかと考える。最高の娯楽作品は、同時に大きなパラドックス=課題も残していった。
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林 あゆ美
評価:★★★★★
上巻2/3までのれませんでした。正直、何が書いてあるかわからなかった。けれど、いったんスイッチが入ると、それ以降はジェットコースター読み。読了後は、前作の『裸者と裸者』上下もすぐさま読みたくて、書店になかったので図書館に行きその日のうちに読了。気が付いたら日が暮れてました。なかなか現実に戻れないほどの強烈な余韻を残して。
可能なら前作から順番に読んだ方が、より話の世界にのめりこめるでしょう。でも私のように後から前作を読んでも大丈夫。そんな順番なんてクソ食らえと言いたいくらいのエネルギーで読めばあっというまに、2作の読む時間差なんて気にならなくなります。
佐々木海斗は、前作でまだほんの子どもだったのに、本作では20歳。大佐になり、すっかり大人の貫禄だ。「ふと背後を振り返ると、自分に忠誠を誓う三千五百人の孤児兵が隊列を組んでいた」という立場で、ガシガシ働き、弟や妹に気をかけることも忘れない。日々テロがあちこちでおきている内戦下の日本を舞台に、海斗や少女だけのマフィア・グループ、パンプキン・ガールズらが描かれる。彼らの日常は、一見すると非日常のようだが、現実も一皮むいて描写すればこんなものかもしれない。ひたすら繊細で鈍感で優しくて卑劣なのだ。
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