カラスは漢字も読める~『なぜ飼い犬に手をかまれるのか 』

なぜ飼い犬に手をかまれるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)
『なぜ飼い犬に手をかまれるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)』
日高 敏隆
PHP研究所
861円(税込)
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 住宅地にお住まいの方なら、一度はゴミ出しの日にカラスと戦ったことがあるのではないでしょうか。ゴミ袋を突っついて袋を破り、ゴミをあさってはゴミ置き場をめちゃくちゃに。さっきまでいなかったのに「いつのまに!?」なんてことも。

 昔からカラスは頭がいいなんて言われており、巣に悪戯をするとその犯人を覚えていて、その人が通るたびに攻撃してくるというのはよく聞く話し。時間通りにゴミ置き場に来たり、人を区別したり、果たしてカラスはどのように学習し、一体どれぐらい賢いのでしょうか。本書によると、カラスは視覚で学習しており、しかも漢字の区別まで付くそうなのです。
 
 カラスの前に餌が食べられるマル印の容器と、食べられないバツ印の容器を並べて出してみたところ、初めは迷って両方を選んでいたものの、数日経つとマル印だけを選ぶように。更にマルとバツを今度は三角に変えたり、ほぼマルに近い二十四角形にしたりしてもきちんと区別して、食べられる餌の入った容器を選んだそう。これに目をつけ、漢字の区別をさせたら「機」と「能」という難しい漢字も80%の確率で正解。人間の写真もきちんと区別したのだとか。ここまで学習能力があるんじゃ、カラスを撃退するのも至難の業なはずです。
 
 動物の様々な行動にはちゃんとした理由があるという本書。「人も動物も変わらない、よく似ている点が見えてしまう」と著者で京都大学名誉教授、日本動物行動学会初代会長の日高敏隆さんは言います。とある種類のカエルは自分の声に魅力がないと、魅力ある声のカエルの後ろに待機し、メスガエルがその声に釣られて寄ってくると、自分が鳴いているわけでもないのに素早くそのメスをちょうだいしちゃうのだとか。そんな人って、あなたの周りにいませんか?

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