アイデアをたくさん出す>すごいアイデアを出す~『アイデアは考えるな。』

アイデアは考えるな。
『アイデアは考えるな。』
柳澤 大輔
日経BP社
1,365円(税込)
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 いま、あらゆる仕事で「考えること」が求められています。商品開発、提案営業、市場分析、広告制作。どんな仕事をしていても、アタマを使って「すごいアイデア」を出すことが期待されるのです。

 ところで、あなたはアイデアを出すことが得意ですか?

 「ピカソは生涯2万点以上の絵をかいた」「バッハは少なくとも週に1回は作曲していた」「トーマス・エジソンの死後、アイデアメモがぎっしりかかれた3,500冊あまりのノートが発見された」など、歴史に残る名作を創り出した芸術家には、多作な人がたくさんいます。そして発明王エジソンだって、誰よりもアイデアを出していたのです。

 「アイデアをたくさん出す」ということは、「すごいアイデアを出す」こととは違うのです。すごいアイデアを出そうとすると、それがどれくらい効果があるか、実現可能かどうかなどが問われます。たくさん出すのであれば、それがすごいアイデアかどうかなんて関係ありません。とにかく数を出すことが優先されるからです。

 実は、アイデアをたくさん出そうとするからこそ、すごいアイデアが出てくるのだともいえます。

 100個アイデアを出して、そのうち実現しそうなのが1案しかなくてもいいのです。99案のすごくないアイデアがヒントになって、肝心の1案が思い浮かんだのかもしれません。それに、99案を出す過程が、自分をポジティブにしてくれます。質よりも量を出すことを優先すると、明らかにありえない案、とんでもない案も入れなければならなくなります。このありえない案を出す過程が、なんだか楽しくなってくるのです。

 「まじめくさった人は大した考えをもっていない。アイデアいっぱいの人は決して深刻にならない」、フランスの詩人ポール・ヴァレリーが言った言葉です。

 様々な企画をカタチにし、インターネット業界で注目を集める面白法人カヤックの代表取締役・柳澤大輔氏は、「アイデアを出せないという悩みを持つ人の共通点は、『すごいアイデア』を出そうとしてしまっているところ。でも、『すごいアイデア』を出している人は、その何倍も『すごくないアイデア』を出している。まず『すごくないアイデア』をたくさん出すとことから、はじめています」と、自著『アイデアは考えるな。』で、面白法人カヤックのアイデアの出し方を紹介しています。

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