お笑い芸人のトークのカラクリ~『ウケる!トーク術』

お笑い芸人に学ぶ ウケる!トーク術 昨日起こった出来事を面白く話す方法
『お笑い芸人に学ぶ ウケる!トーク術 昨日起こった出来事を面白く話す方法』
田中 イデア
リットーミュージック
1,365円(税込)
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 突然ですが、あなたはトークに自信がありますか?

 お笑い芸人と一緒に仕事をする放送作家の田中イデア氏は、トークの上手い芸人にある特徴があるといいます。その特徴とは「5W1H1D」を基本としていること。「5W1H」は学校の授業などで聞いたことがありますよね。ニュースや新聞で話を伝えるための基本的な要素です。「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」の6つの問いの頭文字からできています。
 
 それに「どうした(Do)」を意味する「1D」を追加してみましょう。この「5W1H1D」を基本にし、細かいテクニックをちりばめていけば、ウケるトークを生み出すことができるそうです。

 たとえば、「つい最近(When)、家電量販店で(Where)彼女が(Who)テレビに映るコブクロの熱唱を聞いて(What)『声量』と『性欲』を(How)言い間違えた(Do)。言葉が似ているから(Why)」という、私たちが話しがちな一般的なネタを、芸人がトークをするため編集すると以下のようになります。

 「(全体的にゆったりとしたテンポで)僕には、3年付き合っている彼女がいるんですけど、その彼女がテレビを買い替えたいと言うので、一緒に家電量販店に行ったんですね。7階建ての店内はすごく広くて(手を広げる動きをする)、3階がテレビ売り場だったんですけど、そこにはたくさんのテレビが並んでいたんです。

 テレビ売り場の画面って、大抵全部同じじゃないですか? その店内では、コブクロのライブ映像が流れていて、ちょうど、コブクロの背の高い方が熱唱しているところがアップで映ってたんですよ。
 
 彼女、それ観てテンションが上がったのかウットリ(見とれる様子・擬態法)しちゃって、その画面に釘付け(釘付け・比喩)になっているんです。僕もさすが、『最近のテレビは映像も音もキレイだな~』とか思って観ていたんですよ。

 そしたら、彼女が僕に向かって、いきなりひと言。『コブクロの背の高い方、性欲すごいね!』(感動したように演じ分ける)って。(ここから声のトーンとテンポをあげて)はぁ? 性欲?? それを言うなら声量だろ!! 性欲はしらねえよ!(ツッコミ口調で)
 
 もう店員さんもビックリ(驚く様子・擬態法)して二度見(二度見の動きをする)してくるし、彼女真っ赤になって、売り場から逃げてくし。(最後にゆっくりとしたテンポで)結局、その日はテレビも買わずに、コブクロの声量のすごさだけ確認して帰りました」

 いかがでしょうか。このトークには「5W1H1D」を基本とした上に、「擬態法」「比喩」「登場人物の演じ分け」「声の出し方やテンポ」「顔の表情や体の動き」など、様々なテクニックが駆使されています。これらテクニックの詳細は、田中イデア氏の著書『ウケる!トーク術』に載っています。飲み会やデート、ビジネスでトクをするトーク術など、芸人さんの話術に学ぶべき点は多そうです。

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