第55回

 2月号では、「芸能界重大ニュースはこれだ!!」の特集が組まれ(常にアイドル企画ではないが、一号最低一特集体制となる)、それまで無料で入れていた表4のレンズメーカー・タムロン広告は、藤井一子のセカンド・シングル『初恋進化論』の広告に変わった(以後、基本的にその号に登場しているアイドルの新譜の広告、無料なのは変わらないが...)。続く3月号では、それまで「カメラBOYの明朗マガジン」となっていたキャッチフレーズを「カメラBOYのアイドルマガジン」と変更。「ザ・シュガー」との相乗りで撮った酒井法子のグラビアが掲載(それまで、表紙&グラビアを除くと「アイシミュ」「FIインタビュー」絡みでないアイドルのグラビアはなかった)。年末進行と並行して、マニア向けアイドル雑誌化は着々と進められていた。
 そこに来て、志賀真理子の相談室の話。ぶっちゃけ思い付きだったのだが、瓢箪から駒、タイミング的にはバッチリだった。物事がうまく回っている時はこんなものなのかもしれない。

「アイシミュ」の翌日は、「BUBLLE SISTERS」、一日空けて、「森伸之の制服ヌーベルバーグ」と「アイドルフォトストーリー」。モデルは、'87年6月に『太陽のアラベスク』デビューすることになる秋山絵美('68年12月23日生まれ、神奈川出身)だった。続いて、「ここはこう撮れ特訓セミナー」で年内の撮影は打ち止め、そしてひたすら、ネーム書きと入稿の日々。世間は、クリスマスで浮かれていたが、そんなのは全く関係なく(楽しむ相手がいないのも事実だが)、徹夜の日が続いた。ヘロヘロになりながらも、担当分は、年明け取材の「FIインタビュー」を残して、組み終えてデザイナーに渡し、地獄の年末進行は幕を閉じた。