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7月14日(火)

ジパング島発見記
『ジパング島発見記』
山本 兼一
集英社
1,620円(税込)
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本の現場―本はどう生まれ、だれに読まれているか
『本の現場―本はどう生まれ、だれに読まれているか』
永江 朗
ポット出版
1,944円(税込)
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 通勤読書は『ジパング島発見記』山本兼一(集英社)。
 1500年代に日本へやってきた外国人、フランシスコ・ザビエルやルイス・フロイスなどの視点で描かれる連作短編集。誰もが大変人間くさく面白い。

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 なぜかどの書店さんでも「責任販売」の話題となる。

 最近、朝日新聞の一面にも掲載されたこの新たな取引制度(書店さんの利益は増えるが、リスクも増える)であるが、今のところ「責任販売」で扱われる本に魅力がないのか、ほとんどの書店さんが客注でもないかぎり、注文する気がないと言っていた。また議論の場に書店が入っていないことにかなり不服な様子であった。

 そんななか西荻窪のK書店Kさんから伺った、理にかなった責任販売の方法論は大変勉強になった。それと書店さんが返品率を下げることに真剣に取り組まないのと、出版社が万引き対策に真剣にならないのは、同じ穴の狢であるというのも頷ける話だ。

 先日拝聴した取次マンの対談では、「責任販売の『責任』を書店に押し付けるのはどうかと思う!」と言っていたが、それは現場レベルの感想であって、流れとしては今の流れが進んでいくような印象であった。

 ところでコミックに関していうと、何件かのお店では返品率をある一定の枠内におさめる変わりに新刊の指定配本を受け付けているようだが、あれを他のジャンルに応用するのはできないのだろうか。巻数ものだからできるのだろうか。

 責任販売を論じるなら再販制度もセットで論じた方がいいと思うんだけれど、どうなんだろうか。再販制度で思い出したが、「非再版」の文字がデカデカと印刷された『本の現場 本はどう生まれ、だれに読まれているか』永江朗(ポット出版)は、最後についている対談が興味深かった。残念ながらこういう本をどう扱っていいのか書店さんはわからないようであるが......。

 そういえばこういう話題は十年くらい前には飲み会の大きなネタであったが、今はもうこんな話をすることもなくなった。現場はそれどころじゃないのかもしれない。

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