10月21日(月)優先順位

朝、母親に今週末と来週末は、神保町ブックフェスティバルと伊野尾書店での本の産地市があるから迎えにいけないと話す。

本当は土曜日に話すつもりだったのだけれど、せっかく家に帰ってきたのに悲しい気持ちにさせるのもあれだしとかいろいろ考えて介護施設に戻る当日の朝になってしまった。

いや、ただ自分が言い出せなかっただけなのだけれど。

それを聞いた母親は表情も変えず、「いいよ、迎えに来なくても。あそこにいればいいんだから」と言った。

家に帰りたいと言われてもつらいけれど、施設に居ればいいといわれるのも切ない。結局、母親は私のことを気にして、本当のことを言えずにいるのだろうと思ってしまう。

私は、本を作り、本を売って、暮らしている。それができなければ暮らしていけない。だから最優先にしているのだけれど、ときおりその優先順位があっているのかわからなくなる。

冷たい風の吹く中、介護施設の車にウィンチで引き上げられ、しっかり車椅子を固定され、窓の向こうから母親が手を振っている。

私も手を振りかえす。

スーツに着替えて会社にいく。

10月20日(日)カリン

昨日の夏日が一転して、10度以上気温が下がる。今日はもはや冬。長袖を着て、父親の墓参りと車椅子を押しての散歩。カリンが実っている。

午後、父親の親友夫妻が遊びにくる。おばさんは昨日も来てくれたのだけれど、今日は自作のリハビリ道具を持ってきてくれた。

10月19日(土)2週間

先週は京都出張だったため、二週間ぶりに母親を介護施設へ迎えにいく。

特に不満も言わず、友達が作ってきてくれたおいなりさんを昼に三つ食べた。

10月18日(金)坪内さんの自著

9時に出勤し、編集中の北上次郎『新刊めったくたガイド大大全』の書名索引の取捨選択に勤しむ。

あまりに集中しすぎたため、はっと気づけば10時15分。慌てて会社をで、半蔵門線に乗って、三軒茶屋へ。坪内祐三さんの自宅に伺う。

『日記から』の制作中に佐久間さんと坪内さんの遺した蔵書の話になり、蔵書はともかくたくさんある自著を読者の方にお譲りしたいという話になったのだった。それならば来週末行われる神保町ブックフェスティバルが良い機会なのではとなり、本日引き取りに伺うことになったのでる。

ダンボール八箱の坪内さんの自著を浜本の車に乗せ、会社に運ぶ。運び入れると同時に中身を確認し、値札をつけていく。

その作業を終えるとまた『新刊めったくたガイド大大全』の索引作業に戻り、夕方ついに終了となる。残すは著者名索引だ。

雨降る中、昌平橋を渡り、神田明神下のローソンで缶ビールを買って、上野駅まで歩き飲み。今週もどうにか一週間無事に終えることができた。

10月17日(木)スーパームーン

仕事を終えて会社を出ると、落ちてくるのではないかと心配になるほど、月が大きかった。

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