7月24日(水)本を買う経緯

  • 家から5分の旅館に泊まる (スタンド・ブックス)
  • 『家から5分の旅館に泊まる (スタンド・ブックス)』
    スズキナオ
    太田出版
    2,090円(税込)
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  • 暗躍の球史 根本陸夫が動いた時代
  • 『暗躍の球史 根本陸夫が動いた時代』
    髙橋 安幸
    集英社
    2,200円(税込)
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  • だから、野球は難しい (扶桑社新書)
  • 『だから、野球は難しい (扶桑社新書)』
    橋上 秀樹
    扶桑社
    990円(税込)
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  • 転の声
  • 『転の声』
    尾崎 世界観
    文藝春秋
    1,650円(税込)
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本を4冊買ってきた。

①スズキナオ『家から5分の旅館に泊まる』(太田出版)
②高橋安幸『暗躍の球史 根本陸夫が動いた時代』(集英社)
③橋上秀樹『だから、野球は難しい』(扶桑社新書)
④尾崎世界観『転の声』(文藝春秋)

三者三様というか四冊四様、購入に至る経緯が違う。

①の『家から5分〜』は新刊が出たら必ず著者である。
②の『暗躍の球史』は伊野尾書店さんから、「好きそうな本が出ましたよ」と教えてもらった。
③の『だから、野球は難しい』は書店の平台で知った。
④の『転の声』は伊野尾書店さんが「面白い」と話していた。

分類してみると、①は「ファン」、②は「情報」、③は「発見」、④は「評判」ということになるだろうか。①が出るのを知ったのは、出版レーベル「STAND! BOOKS」のXのポストだった。本を買う動機はそれぞれで、ひとつでなく多岐に渡っている。

買う側でありつつ、売る側である私がすべきことは、①ファン作り、②SNSでの発信や広告、③書店さんへの営業、④面白い本や雑誌を作る、ということだろうか。

そして、ひとつのことをして満足感に浸るのではなく、やれる限りのことをすべてやらなければならない。何度も何度も何度も。

買うのは簡単、売るのは大変、しかし、どちらも楽し、というところか。

7月23日(火)中原一歩『小山田圭吾 炎上の「嘘」』

  • 小山田圭吾 炎上の「嘘」 東京五輪騒動の知られざる真相
  • 『小山田圭吾 炎上の「嘘」 東京五輪騒動の知られざる真相』
    中原 一歩
    文藝春秋
    1,650円(税込)
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中原一歩『小山田圭吾 炎上の「嘘」』(文藝春秋)読了。

小山田圭吾もCorneliusもフリパーズ・ギターも実はまったく知らないのだった。しかし2021年のオリンピック開幕を数日前に控えたある日突然、「小山田圭吾」という人が、炎上したことは知っている。「炎上」というものはそういうものだろう。

そもそもは興味本位でペラペラめくりだしたのだが、本物の、魂のこもったノンフィクションだとすぐに気づき、居住いを正して読み直した。

過去の雑誌記事で同級生をいじめたと証言をしていた小山田圭吾は、果たして本当にそんなひどいことをしたのか。著者はその真実を探るため同級生を探し歩き、確認していく。さらに、もししていないのあれば、なぜあのようなインタビュー記事が掲載されたのかも探っていく。

誰かが肉体的に殺された殺人事件ではないけれど、ひとりの人間が社会的に抹殺される事件であり、その現代的な事件を追った強烈なルポルタージュだ。ものすごく冷静に、しかし胸のうちに熱いものたぎらせ、著者は足を使って迫っている。
そして──。

一番かっこ悪いやつを炙り出している。ロックの雑誌を作っておきながら、いちばんロックじゃない人間を。

これぞノンフィクション。これぞルポルタージュだ。

7月22日(月)足元過ぎれば痛さを忘れる

  • 癲狂院日乗
  • 『癲狂院日乗』
    車谷 長吉
    新書館
    2,860円(税込)
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  • 私はヤギになりたい ヤギ飼い十二カ月
  • 『私はヤギになりたい ヤギ飼い十二カ月』
    内澤 旬子
    山と渓谷社
    1,980円(税込)
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5時半起床。こんなに寝たのは久しぶり。Z世代の娘から、「今日も会社にいくの?」と驚かれるが、まあ、行くのだろう。

朝から30度越えのなか出社。会社にたどり着くだけで本日終了の札を下げたくなる。

ごくごくと水を飲み、痛風に汗かきはよくないのだど思っていたら、『痛風の朝』のデザインをしてくれた小林渡さんから足が腫れた写真と「ついに痛風になってしまいました」というメッセージが届く。

これで親友から痛友になれたと喜んでいたら、なんと『北緯66.6°』の森山伸也さんからも「痛さに悶絶しています」と、やはり痛風発症の報告が届く。激暑は痛風を呼ぶのか。痛友が増えてうれしい、なんて言っていると自分も発症するので偉そうにアドバイスをして心配のフリをする。

昼、神楽坂の「アズーリ」にて、内澤旬子さん、地方小出版流通センターの畠中さんとランチ。お二人は旧知の仲なので、会話が弾む。

内澤さんと神保町へ。内澤さんが8月に新刊『私はヤギになりたい』を刊行する山と渓谷社に行くというので、山と渓谷社までご案内する。その後、会社に戻ろうとしたところ、椎名誠事務所の渡利さんが交差点に立っており、思わず声をかける。

椎名さんが更級日記千年紀文学賞の選考会議で学士会館に来ており、その会合の合間に椎名さんから預かったフロッピーディスクを、本の雑誌社に届けてくださったらしい。人間添付ファイル。椎名さんの最近の様子を伺い、道端でお別れ。

夜、新宿御苑の「大衆酒場 鳥の素揚げ ほしの本店」にて、古書現生の向井透史さんと仲良き出版社で酒を飲む。プロレス好きが3人おり、なんの会話をしていても気づけばプロレスの話になっているという、プロレスバミューダトライアングルもしくはプロレスブラックホールに吸い込まれて行く。

帰り際、向井さんから「出版関係者が4人いて、一切出版に関する話が出ないとは何事だ!」とたいそう褒められるが、「芳賀書店さんもこの激暑でお客さんが少ないらしい。エロが無理ならもう無理だ」という非常に尊い話を伺ったのだった。

ゲリラ豪雨と雷。

東京堂書店さんで車谷長吉『癲狂院日乗』(新書館)を購入した。

7月21日(日)BOOK MARKET2日目

春日部より浅草へ。「BOOK MARKET2024」2日目。本日も35度を超える激暑。

10時開店とともに売り場を浜田に任せ、舟和に芋羊羹とあんこ玉を買いに行く。妻と娘からお土産に所望されたのだった。

昨日を上回るすごい人出。特に2時から4時の間はお客さんが途切れず、先行発売していた『漫画 本を売る技術』と新刊『日記から』が売り切れてしまう。

内澤旬子さんが遊びにきてくれたので、『カヨと私』にサインしていただくと、すぐに一冊売れた。

5時無事終了。皆で協力して机と椅子を片付け、6時には完全撤収となる。出版強化合宿も昨夜で終えたので、浅草より自宅に帰る。

7月20日(土)BOOK MARKET初日

友と春日部より浅草へ。いよいよ「BOOK MARKET2024」始まるもすごい暑さ。今日は35度を超えるらしい。

こんな暑い中、果たしてお客さんはやってくるのかと心配していたが、10時オープンとともにどっと人がなだれ込み、夏葉社のブースには島田さんを囲む輪ができていた。

その後もたくさんのお客さんが来場され、浜田ともに昼ご飯も食べずに本を売り続ける。共に本を売る仲間がいて、自分たちが作った本が目の前で読者の手に取られる。こんな楽しいことはないだろう。あっという間に終了の5時。

友と東武伊勢崎線に乗って春日部に帰るが、その電車は足立花火大会に向かう浴衣姿の人たちで満員。それがなんとここからゲリラ豪雨と雷のため中止になってしまうとは。悲劇。

武里駅前でほか弁を買い求め、出版強化合宿二日目夜の部を迎える。

「BOOK MARKET2024」では、港区でいちばんちいさな出版社・ビーナイスのブースで、藤岡みなみ『時間旅行者の日記』(タイムトラベル専門書店)を購入した。

5歳から35歳までの日記がランダムに並んでいるとは天才的発想。浅生ハルミンさんの『三時のわたし』(毎日三時に何をしていたかを記した日記)にも衝撃を受けたが、それと並ぶ衝撃だ。

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