9月10日(土)
娘よりLINEのビデオ通話がかかってくる。現代のテクノロジーのおかげで、一週間ぶりに娘の姿を見ることができる。すこぶる元気そう。すこぶる楽しそう。唯一気になるのは海外に行ってたった一週間なのに、しゃべり方が早見優のようになっていること。
実家に車を走らせ母親を乗せて、埼スタへ。2022明治安田生命J1リーグ第29節柏レイソル戦。我らが浦和レッズは、多数の選手がコロナ陽性で離脱しており、試合開催すらも危ぶまれたものの、控えのメンバーがピッチに立ち、どうにかキックオフに。
「こんなときこそ大きな声で応援して選手を後押しするんだよ!」となぜか息子から煽られ、大声でチャントを歌う。
その甲斐あってか、開始7分、今日はサイドではなくトップ下で起用された大久保智明が、相手DFを剥がしてチャンスを作り、松尾佑介にスルーパス。それをワンタッチで松尾が決めてあっけなく先制点を奪う。怪我の功名というかコロナの巧妙だけれど、大久保のトップ下がとってもいい。その後も追加点と加え、4対1のまったく危なげなく勝利する。
前回出場した試合で、ミスや消極的プレーをしていた知念哲也や宮本優太が覚悟ある姿でファイトしていたのに感動する。一瞬でもはやく前を向こうとし、50センチでも相手の背後にポジションをとろうとし、ゴールに近づけまいと相手選手に堂々と食らいつく。
勝つことやスーパーなプレーも当然見たいけれど、こうして選手が変わっていく姿を見るために私はスタジアムに通っているのだ。そして自分も昨日より今日、今日より明日成長しなければらないと前を向かされるのだった。
いつの間にか選手とともに歌うのが恒例となっていた「We are Diamonds」も、かつてのようにサポーターのみで歌うかたちに戻る。選手のいないピッチを眺めながら、つい先ほどまで行われていた熱戦を振り返り、「つわものどもが夢の跡」のようなこの余韻がいいのだ。埼スタに満月が浮かぶ。