5月15日(水)北書店
高野秀行さんの新作の取材で新潟へ。
高野さんより一足早く新潟に入り、一年半ほど前に移転した北書店さんを訪問する。
新しいお店は信濃川沿いにあり、マンションの一階が浅草の仲見世通りのような商店街になっている不思議な作りのその真ん中に北書店の白い看板が立っていた。
以前よりコンパクトになった売り場には、あるべき本というか、ここならあるだろうという本がしっかり並んでおり、感動を覚える。
店主の佐藤さんにご挨拶すると、たまたまお店にいらした常連さんをご紹介いただく。60代と思われるその男性はイベントスペースを営んでおり、絵などの展示をされているとのこと。そしてなんと「本の雑誌」や椎名さんの本を読んで、自身も雑誌を作っていたという。胸熱になってしばしお話しさせていただく。
その常連さんが本を買って帰ると、入れ替わりのように段ボール箱を抱えたスーツ姿の男性が本を届けにきた。
またまた佐藤さんが紹介してくださり名刺交換をすると、教科書の取次をしている会社の人なのだが、なんとその方は以前新潟の別の本屋さんに勤めており、本屋大賞にも投票していただいていた書店員さんなのだった。
なんだろう、この場所は。
まず、佐藤さんがいて、本がある。そして、そこに人が集まってくる。
これが「本屋」なのかもしれない、と思った。
新潟に本屋あり。北書店なり。
僕はここが大好きだ。
岡村淳『忘れられない日本人移民』(港の人)を買い求む。