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6月2日(日)再会

午前中、父親の墓参り後、車椅子を押して散歩していると、自転車に乗ったおじいさんが母親を見るなり、絶句。

「......。ど、ど、どうしてるのかと......」

それは母の親友だったTさんの旦那さんだった。一昨年のお正月、Tさんは心筋梗塞を起こし突然亡くなってしまった。それ以来旦那さんは、母親のところを訪ねては、妻であるTさんの話をしていたそうで、要するに母親と話すことで妻の思い出に浸っていたのだ。

それが今度は私の母親が病で倒れ、いつ覗いてもシャッターが下りているから、どこで暮らしているのかずっと心配していたそう。

こちらが挨拶に伺えばよかったのだけれど、私が面識がなく、ついつい遠慮してしまっていたのだ。

約一年ぶりの再会に手をとって喜ぶも、おじいさんはしばらくするとそっぽを向いてしまった。

母親が何か失礼なことを言ったのかと心配になるも、どうやら我々に涙を見せないように顔を背けているようだった。

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