8月11日(日)金子玲介『死んだ石井の大群』
介護の合間に、金子玲介『死んだ石井の大群』(講談社)読了。
山田がスピーカーになった前作以上に、333人の石井がデスゲームを繰り広げるという特殊すぎる設定で、そういう小説が苦手な私が読了できるのだろうかと不安を抱えて読み出したのだが、そんな不安は杞憂だった。
金子玲介はそのような不思議な設定を違和感なく読ませる魔法を持っている。そしてまだ2作しかないのだけれど金子玲介には金子玲介のテーマがしっかりある。
今作も『死んだ山田と教室』同様にある瞬間物語が反転し、強烈なメッセージを訴えてくるのだった。そのメッセージは、やはりサンボマスターであり、私の胸ぐらを掴み、感動の極みにつれていく。
次作『死んだ木村を上演』が、この冬にでるらしい。楽しみだ。