10月28日(月)座談会のまとめ
朝9時半に出社。21連勤(予定)の14日目。
新しいMacBookが届いたものの、とても移行やセッティングしている時間はなく、私物のMacBookを持ち込み、終日、座談会のまとめに勤しむ。
中溝康隆『巨人軍vs.落合博満』(文藝春秋)読了。面白かった。
はじめにに見かけた時、『嫌われた監督』文庫化便乗本?!なんて思って躊躇していたのだが、旧知の編集者が「すごく面白いんで、読んだ方がいいですよ」と薦めてくれたのだった。
これは書斎派ノンフィクションというのだろうか。当時の新聞や雑誌、テレビ等を徹底的に調べ上げ、それぞれの選手や監督、オーナーがどんな言葉を発したかを手繰り寄せ、一本の糸にしていき、巨人時代の落合をひもといていくのだった。その筆致はまるで坪内祐三さんのようでもある。
そのコメントの数々が、変に今あらたにインタビューするより生々しくて面白いのだ。昨今、YouTubeで引退後の選手が赤裸々に語ることが増えており、私もそうしたYouTubeを楽しく見ており、これはもしやスポーツ・ノンフィクションはなかなか難しい立場になってしまうのではと考えていたのだけれど、そんなことはなかった。
落合と原、落合と松井、落合と清原、そして落合と長嶋、落合とナベツネの新聞記事などから映し出される人間模様は、個人と組織、個人と個人の、エゴや嫉妬や羨望にまみれている。その中でのちに『嫌われた監督』になる落合博満という人間の凄さと独特さが、大変興味深い。そしてあの時代の空気を思い出させるのだった。