11月18日(月)撮影
迎えにきた介護施設の車に母親を乗せ、二泊三日の週末介護を終え、東武伊勢崎線からJR、京浜急行に2時間30分揺られ、横須賀へ。本日は『蔵書断捨離風雲録(仮)』の単行本に収録する書庫の写真撮影なのだった。
編集担当の近藤とカメラマンの中村さん、間取り図を描いてもらうイラストレーターの鈴木氏と日下三蔵さんの家に押しかけるが、整理された書庫とはいえこの大人数で入ると身動きが取れなくなる可能性があるため、私は半ば外で待つ。
日下さんのお家を訪ねるのはこれで四度目なのだけれど、これまで想像を絶する蔵書量に恐怖心が湧いてきて、棚をじっくり眺めることができなかったのだが、今回やっと心に余裕ができて一冊一冊を眺めることができる。
目黒さんもそうだったし、例えば新保博久さんや大森望さん、さらに坪内祐三さんなど、書評家、評論家と呼ばれる人たちの蔵書量=知識量は半端ないものがある。
日下さんは「目黒さんが居たからこそ自分がある」と本を読んでそのことを書くという仕事というか生き方を提示した目黒さんへの尊敬の念を語っていたが、私は日下さんはじめ書評家のひとたちへの尊敬の念が絶えない。それと同時にこういう本とともに生きている人たちが満足する「本の雑誌」を作っていけるのだろうかという不安は常にあるのだった。
目黒さんが作っていたときは本人自身が書評家であり、重度の活字中毒者であり、恐るべき蔵書量だったけれど、今、本の雑誌社にいる人間はそこまでではないのだ。書評家でもないし、目黒さんほど本を読んでいないし、蔵書量だってたいしたことはない。それで果たして読者の信頼を得る「本の雑誌」を作ることができるのか。
3時間ほどかけて、自宅と別宅の棚を撮影する。
さらに2時間かけて帰宅。