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5月31日(土)金子玲介『流星と吐き気』

  • 流星と吐き気
  • 『流星と吐き気』
    金子 玲介
    講談社
    1,980円(税込)
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雨降る中、3週間ぶりに母親を介護施設に迎えにいく。特に不平不満を吐き出すこともなく、自分がどれだけ預けられていたのか気づいていない様子で、うれしそうに車に乗る。

終日、母親を見守りながら読書する。

いつだか版元の飲み会で、年に数回無性に寂しくなる時があって、そういう時はプリンセスプリンセスの『M』と森高千里の『渡良瀬橋』聞くんですよと言ったら、目の前でビールを飲んでいた女性ふたりが吹き出す勢いで、「あれ、ファンタジーです。絶対昔の彼氏なんて覚えてないから」と爆笑されたのだったが、金子玲介『流星と吐き気』(講談社)は、まさしく別れた相手がいつまでも自分を想っているというキモい勘違いを打ち砕く、最恐の恋愛小説で面白すぎた。

金子玲介、やっぱり天才なのだ。『死んだ山田と教室』『死んだ石井の大群』『死んだ木村を上演』の〈死んだ〉シリーズだけでなく、デビューから4作すべて傑作というのは凄過ぎる。しかもほぼ一年でこれらの本が刊行されており、すべて物語のスタイルが違うのだ。今回は初の連作短編となっている(その連作短編の中でも書き方を変えている!)。

新作がでたら必ず読む作家、そして期待を裏切らないどころが超えてくる作家。それが金子玲介だ。

5月30日(金)幸せな飲み会

  • ずっとあった店 スナック屋台おふくろ編 (KTSR 004a)
  • 『ずっとあった店 スナック屋台おふくろ編 (KTSR 004a)』
    スズキナオ
    ことさら出版
    1,320円(税込)
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憧れのスズキナオさんと、そのスズキナオさんの最新作『ずっとあった店 スナック屋台おふくろ編』を刊行したことさら出版さんと浅草橋で酒。明日で株主優待券が切れるという「焼鳥日高屋」で軽く飲んだ後、「加賀屋」に席を移してじっくり飲む。

スズキナオさんは、おだやかに、温泉に浸かるように酒場を楽しむ方だった。幸せな飲み会。

5月29日(木)コーヒー豆

久しぶりに何もなく、ゆっくり落ち着いて深呼吸できるような日。心置きなく営業にでかける。

帰りにコーヒー豆を買って帰る。10年くらい前から、朝一杯のコーヒーは少しだけ贅沢しようと成城石井のプレミアムマイルドブレンドというのを買って飲んでいたのだが、私が買い出した頃は確か1000円ちょっとだったものが、今では2500円以上もするのであった。

これでは少しだけ贅沢を超えてとんでもない贅沢になってしまうので安いコーヒー豆に変えたのだけれど、そのことを書店員さんに話したところ、その方もコーヒー豆の値上がりに頭を抱え、しかし質を下げるのは難しく、飲む回数を減らしたというのであった。

なるほど毎朝飲んでいたコーヒーを週3回にするという防衛策はあるのだ。そういえばわが家も米の高騰を受け、週に一度晩ごはんが麺類になったりしているのだった。

しかし、何も値上がりしているのはコーヒーやお米だけでなく、われらが本や雑誌もどんどん値段が上がっているのだった。

そうなればコーヒーを飲む回数を減らしたように、本を買う冊数を減らすというのは当然起こる選択だろう。3冊が2冊、2冊が1冊、1冊が0冊。気づけば無料のコンテンツに心移りされていたりするのではなかろうか。

5月28日(水)残業タイム

夜、埼玉スタジアムへ。

後半60分過ぎからセレッソ大阪に攻められっぱなしで、大変印象の悪い引き分け。

試合終了のホイッスルとともに、まるで上司が帰った残業タイムのごとく、一斉に人が帰宅していく。

5月27日(火)蔵書整理昼酒

代休。

古書現世の向井さんの買取のお手伝い。小平にて約1500冊の本を引き取る。エレベーターなしの建物のため、3階から階段を使って本を下ろす。しかし本日はなぜかイラストレーターの信濃八太郎さんが手伝いに来ており、二人で荷運びするので苦労は半分なのだった。

早稲田で本を下ろしたのち3人で昼酒。こういう酒が一番美味い。

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