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7月17日(木)オンリーワン

  • 幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)
  • 『幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)』
    高野 秀行
    集英社
    572円(税込)
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  • 間違う力 (角川新書)
  • 『間違う力 (角川新書)』
    高野 秀行
    KADOKAWA
    880円(税込)
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午後、会社の一角に(といっても全体が一角のような職場なのだが)テレビカメラが持ち込まれ、BSの番組が高野秀行さんのインタビュー収録。テーマはなんとコンゴのテレ湖にいるといわれる未知動物ムベンベ。すなわち高野秀行さんのデビュー作である『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)の話だ。

はじめは笑いながら耳を傾けていたのだが、インタビューしているテレビ局の人はムベンベのことを真剣に知りたいと思って訊いており、そうなると確かに訊く相手は高野さんしかいないのだった。

本を出してから35年以上経っていても、ムベンベを実際に探しにいった日本人はおそらく高野さん以外おらず、しかも高野さんは3回も現地に探索に行き、それを一冊の本にまとめているのだ。

高野さんの隠れた名作というかサイン会をすると「座右の書にしてます」といわれることのある『間違う力』(角川新書)は、当初の単行本版(メディアファクトリー刊)には「オンリーワンになるための10か条」という副題がついていた。そして間違う力の第一条として掲げられているのは、「他人のやらないことは無意味でもやる」だ。

その他人のやらないことをやり続けてきた結果、35年以上経ってもムベンベに関しては第一人者であり、おそらく納豆に関してもソマリランドに関しても誰よりも現地のことを知っているのは高野さんであろう。

ムベンベの話を聞きながら改めてその生き方に尊敬の念を抱いてしまったが、その後の飲み会には遅刻してきて「間違う力」の本領を発揮されているのだった。

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