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11月23日(日)文学フリマ

10時に国際展示場でAISAの小林渡さんと待ち合わせ。国際展示場はすでに長蛇の列ができており、それは文学フリマの出店者と一般入場者とで分かれていた。我々は高野秀行辺境チャンネルという団体で参加を申し込んでいたため出店者の列に並び、一般入場開始の1時間半前に会場に入る。

サッカーコート一面くらいに日本中の会議室から集められたのではと思わされるほどの長机がずらりと並んでいる。事前送られてきていた「せ-72」というブースを探すとすでにお隣さんが開店準備をスタートされていた。

そうなのだ。申し込むときについケチってしまい、一コマしか申し込まなかったのだ。だから今日高野秀行辺境チャンネルに割り当てられたスペースは、長机の半分、90センチ×45センチしかないのである。ここに大人2人が座り、本(ZINE)を売るのだ。

事前に送って置いた荷物を取りにいき(段ボール5箱)、すぐに開封して売り場を作る。

並べる商品は高野秀行『チャットGTP対高野秀行 キプロス墓参り篇』『寛永御前試合』、高野道行『ヘレネの旅』、内澤旬子『こんにちはヤギさん!』、ツカヌンティウスよしゆき『旅する、本屋巡る。』、本の雑誌社『神保町日記』、「高野秀行辺境チャンネル粗品タオル」、さらに間違う力Tシャツの8アイテム。机はパンパンだ。

準備をしているといろんな人に声をかけられる。いろんな出版社の人が会社だったり、個人だったりで出店しているのだった。その顔がみな上気しているのがわかる。

12時になり、一般のお客さんが入場されると続々と高野さんのZINEを買い求めにいらっしゃる。1時前に高野さん自身がやってきてブースに立つともはやお客さんが途切れず、まさしく飛ぶように売れる状態に。売り子は高野さんと渡さんに任せ、私は補充に勤しむ。そしてとにかく周りのブースの人たちにご迷惑をおかけしないよう気をつける。

やっと人心地がついたときには終了の30分前の4時半だった。文学フリマおそるべし。そしてなによりも高野秀行おそるべし。

なにせ高野さん、お客さんに立って応対し、両手で本を受けとり、両手で本を手渡すのだ。さらにそのお客さんに30度のお辞儀をしてお見送りまでしていた。これだけ真摯な接客ができるなら明日から三越の売り場に立っていても違和感がないだろう。

いったいどこでこんな立派な接客を学んだのだろうか? そういえば酒を主食とするエチオピアのデラシャでは、ひょうたんに入った酒を両手で受け取ると書いていた。そしてそれを次の人に両手で渡すとも。きっとそこでは「美味しい」といってお辞儀もすることだろう。

もしやデラシャで接客研修を受けていたのか。

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