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3月22日(日)本屋さんで本を買う理由

なぜネット書店を使わず、本屋さんで本を買っているかというと、いつでも本が買える街で働いているからとか、いつでも本屋さんにいける仕事に就いているからではなくて、本屋さんで買った本には、買った時の記憶が宿るからだ。

お店に入る時の高揚した気分、いざ棚を前にしたときの目移りする気持ち、そして目当ての本を見つけ胸躍らせレジに持っていったときの店主の表情。そうしたものが本屋さんで買った本には残る。

読み終えて自分の書棚に差した本や未読のまま床に積み上げた本の背表紙を見る度、その本を購入したときのことを思い出せるのが本屋さんで買った本だ。

54歳の私の人生はきっと、これまで生きてきたよりもこれから生きる時間のほうが短い。動ける距離もどんどん狭くなるだろうし、本もそれほど読めなくなるだろう。

そうしたとき背表紙を眺めて、その本を買ったときを思い出す。それは一冊の本を読み終えるくらい豊かなものを運んできてくれるはずだ。

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