4月22日(水)砂村かいり『飛距離の長い青春』
砂村かいり『飛距離の長い青春』(幻冬舎)読了。
読み出した時から主人公3人の人物造形の見事さや医学部受験のディテールの細やかさに傑作の予感がしていたけれど、その予感以上の傑作だった。
「医学部受験」と帯に書かれているのでその合否と若者たちの医療への目覚めがクライマックスになる物語かと思いながら読み進めたのだが、いやはやそんな軽い話ではなかった。もっとしっかり人生を描いた小説なのだ。
素晴らしい! 砂村かいり、すごい作家だと興奮し、そういうときに紐解くのは北上次郎さんの『新刊めったくたガイド大大全』。
「砂村かいり」あるかしらと索引を探してみるとしっかりあった。1074ページ。本の雑誌2021年6月号で、デビュー作『炭酸水と犬』『アパートたまゆら』を紹介している。
『スモールワールズ』の一穂ミチを紹介するのに続いて「今月はもう一人、おすすめの作家がいる」と。
「作者が、ここからどういうふうに物語を転がしていくか、ぜひご覧いただきたい。これが実にうまい」「わき役たちの造形が巧みであることは急いで書いておく」「こういう「調子がよくて一見軽薄だけど憎めない男」を描くと、この作家の筆は冴え渡る」「新時代の息吹が、ここにある」
北上次郎は、砂村かいりをデビュー時に絶賛していた。
ああ、北上さんと『飛距離の長い青春』の話をしたい。








