3月19日(木)介護施設からの電話

夕方、週末の在庫があぶないという連絡を受け、伊野尾書店さんに『本屋の人生』を届けにいく。月末の閉店に向けてお店を訪れる人も増え、おそらく記念のようにしてこの本を購入されていく人も多いのだろう。

伊野尾さんと話している間にお尻で揺れていたスマホは、店を出て確認すると母親を預けている介護施設からのものだった。具合が悪くなったのかと慌てて折り返すと、月曜朝のお迎えが10分ほど遅れますが大丈夫でしょうかという確認でほっと胸を撫で下ろす。

それと合わせて相談していた併設のサービス付き高齢者向け住宅の空きが出るとの報告もあり、来週施設を見学させてもらうことになる。

2年続けた週末実家介護も次の段階に進むのかもしれない。

3月18日(水)水曜開催

仕事を終えて一路埼スタへ。

そこで見せられたのはひどい内容のサッカーで、見てる方がこれだけつまらないということは、やっている選手はもっとつまらないのではなかろうかと泣けてくる。

それにしても5万人埋まる埼スタより、水曜開催の3万人以下の埼スタの方が大きな声に聞こえるのはなぜなんだろうか。

3月17日(火)駒沢敏器『語るに足る、ささやかな人生』(風鯨社)

  • 語るに足る、ささやかな人生
  • 『語るに足る、ささやかな人生』
    駒沢敏器
    風鯨社
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  • 裏社会の日本史 (ちくま学芸文庫)
  • 『裏社会の日本史 (ちくま学芸文庫)』
    フィリップ・ポンス,安永 愛
    筑摩書房
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5日ぶりの出社のお供は駒沢敏器『語るに足る、ささやかな人生』(風鯨社)なのだが、「はじめに」を読み出した瞬間、あっ、これ、おれが一番好きなタイプの本だと確信し、ページをめくる手が止まってしまう。

好きならば一気に読めばいいではないかと思うけれど、ショートケーキにただひとつだけ乗っかったイチゴのように、大切なものを最後までとっておきたくなる気持ちがむくむくと湧いてきたのだ。

そうして一話目の「夕闇のドライブイン・シアター サウスダコタ州ウイナー」を読んで余韻に浸る。

この本は、一日一話読むことにしよう。そしてできることなら仕事を終えた後、夕闇迫る喫茶店でくつろぎながら本を開こう。

会社の扉を開けると編集松村から「出張おつかれさまでした」と声をかけられる。思わず「疲れてないよ」と声が出そうになるが、以前も書いたように私は「疲れる」というのがどういう状態を指すのかよくわからないのだ。

出張に行こうが、何日連続で働こうが別に徹夜しているわけでもないし、ホテルに泊まればベッドの上で寝ているのだから一晩で体力は回復する。いったい疲れるとはなんなんだろうか。

すぐに会社を飛び出し、市ヶ谷の日本図書普及さんへ。第一回から本屋大賞を支えてくださっていることへの感謝を込めて年に一度のご挨拶。

帰り際に外堀通り沿いにある外堀書店を覗く。こちらは大日本印刷が運営している実験的な書店で、フロアの一角が本屋さんになっている。どうせ企業メセナで適当な並んでいるんだろうと侮るなかれ。山手線の内側ではほとんど見ない独立系書店といってもいい品揃えで、小さいながらも見応え充分の本屋さんなのだった。

そんな棚で今回発見したのはフィリップ・ポンス『裏社会の日本史』(ちくま学芸文庫)。2018年に刊行されたこの文庫は、やくざ、被差別民、テキヤ、日雇い労働者などを「ル・モンド」の特派員が取材したリポートで、私の興味のまん真ん中の本なのだった。刊行時に出会えなかったのが恥ずかしい限りだが、こうして外堀書店の棚で出会えたのだから幸せだ。

やはり営業だけでなく本屋さんを訪れ、棚に身を委ねる時間を作らねばならない。そのために働いているのだから。

3月16日(月)距離感

  • 語るに足る、ささやかな人生
  • 『語るに足る、ささやかな人生』
    駒沢敏器
    風鯨社
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以前訪問した時は車で行ったため、いまいち距離感が掴めずにいた大和郡山のとほんさんが京都から近鉄に乗っていけば50分ほどで着くとわかり、すぐさま近鉄に飛び乗る。

埼玉から東京に毎日通勤し、そして関東近郊に日々営業にでている私にとって、電車に乗って50分は「近い」ほうだ。

結局私は電車の乗車時間が、距離の物差しになっているのだろう。長谷川書店のある水無瀬も京都から30分くらいで「近い」のだった。こうして京都を起点とした訪問地図が出来上がっていくのがなによりも楽しい。

とほんさんでは店主の砂川さんにご挨拶し、どこも売り切れていた駒沢敏器『語るに足る、ささやかな人生』(風鯨社)を購入。絶対あるはずと信じてやってきた期待を裏切らないからこそ独立系書店として12年お店がここにあるのだろう。

京都に舞い戻り、書店さんを覗く。

昨日までのイベントではほとんど見かけなかった「小説」の本がずらりと並んでいる。それもたいていは一等地で。

イベントや独立系書店で小説を見かけないのはなぜなんだろうか。おそらく最初期は、小説を発行している大手版元が直取引では仕入れられず、やむなくほかのジャンルの本を並べていたのだろう。

それがいつの間にか独立系書店やイベントの品揃えになり、お客さんもそうした本を求めてそれらの場所にやってくるようになったのか。

今日、訪問したとほんの砂川さんがおっしゃっていた言葉がふと蘇る。

「最近はみなデザイン(装丁)がよくなりましたよね」

小説はどうだろか。棚を眺めるとほとんどが四六判の並製だ。

そしてもうひとつ砂川さんから伺った言葉を思い出す。

「買い切りでやっていると、長く読まれるであろう本を仕入れて並べるようになります」

夜、4日ぶりに自宅に帰る。

三泊以上すると家の中の自分の存在が薄まっている気がする。私がいないことに家族がすっかり慣れている。

3月15日(日)KOBE BOOK FAIR & MARKET2日目

KOBE BOOK FAIR & MARKET2日目。始発の新幹線で神戸にやってきた三輪舎の中岡さんも一緒に車に乗って、六甲アイランドのアトリウムプラザに向かう。

本日も盛況でたくさん本が売れていく。

それにしても不思議なのは、昨日と今日で売れる本が全然違うのだ。

昨日『マンションポエム東京論』が5冊売れ、持ってきたのは7冊だったから、これは明らかに売り切れてしまうと反省していたのだけれど、そうはならず。

逆に昨日『暗がりで本を読む』がまったく売れず、なんでだ1? いつもイベントで売れるのにと焦っていたら、今日はどどどっと売れて完売してしまった。

同じ会場で開催しているけれど土日で客層が変わるというのはあるかもしれず、あるいは本の積み方に変化があるからなのだろうか。こんなことを経験していると、それは書店員という仕事は楽しいだろうと思う。

5時に終了。安心の運営に主催者の方々に感謝を伝え、撤収後、京都に向かう。今夜は京都泊なのだ。

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