『サンリオSF文庫総解説』

著者:牧眞司、大森望:編

定価1944円(税込)

2014年9月17日発売

伝説の文庫レーベルが蘇る!

 

 サンリオSF文庫創刊は、1978年7月のこと。「スター・ウォーズ」日本上陸に始まるSF映画ブームのまっただなか、世間ではSFと言えばスペース・ファンタジーのことだった時代に、宇宙ともファンタジーともほぼ関係のない先鋭的なラインナップを組み、一部の海外SFマニア/海外文学愛好者の間にセンセーションを巻き起こした。しかし、1987年8月、会社の事情で惜しまれつつ休刊することに......。

 本書は、そのサンリオSF文庫が残した全197冊を詳細な書誌データつきで整理番号順にレビューする、史上初のガイドブック。巻頭のカラー口絵には、197冊全冊+異装版4冊のカバーをどどんとまとめて掲載。加えて、編集顧問だった山野浩一の回顧インタビュー、当時サンリオSF文庫で翻訳や解説を担当した関係者のエッセイ、サンリオSF文庫(および単行本)にまつわるコラム(予告のみで未刊に終わった作品やカバー裏の内容紹介迷作選など)を収める。

 また、サンリオ文庫Aシリーズ(海外文学路線)も全作品を書誌データつきで紹介し、"サンリオ文庫のすべて"を立体的に浮かび上がらせる、ファン必携の1冊。伝説の文庫レーベルが、いま、華麗に甦る!

<<『サンリオSF文庫総解説』目次>>

カラー口絵 サンリオSF文庫カバーギャラリー201

はじめに 大森望
サンリオSF文庫の伝説  山野浩一インタビュー 聞き手/大森望

エッセイ
『NW-SF』とサンリオSF文庫の青春 沼野充義
サンリオSF文庫、天国と地獄について 鏡 明
大恩あるシリーズ 山形浩生
サンリオとの十年 大瀧啓裕
私とサンリオSF文庫 ーとっても個人的な昔話ー 大野万紀
サンリオ文庫の回し者 水鏡子
以下続刊ベスト10冊 若島正

サンリオSF文庫全解説
池澤春菜/大野万紀/大森望/岡本俊弥/風野春樹/片桐翔造/北原尚彦/水鏡子/代島正樹/高橋良平/田中啓文/酉島伝法/中野善夫/中村融/西崎憲/西田藍/橋本輝幸/林哲矢/姫榊楓/福永裕史/藤原義也/牧眞司/三村美衣/柳下毅一郎/山形浩生/山岸真/若島正/渡辺英樹

1−A ビッグ・タイム フリッツ・ライバー
1−B 妻という名の魔女たち フリッツ・ライバー
1−C バケツ一杯の空気 フリッツ・ライバー
2−A 辺境の惑星 アーシュラ・K・ル=グイン
2−B 天のろくろ アーシュラ・K・ル=グイン
2−C ロカノンの世界 アーシュラ・K・ル=グイン
2−D 幻影の都市 アーシュラ・K・ル=グイン
2−E〜F マラフレナ(上・下) アーシュラ・K・ル=グイン
2−G コンパス・ローズ アーシュラ・K・ル=グイン
2−H 夜の言葉 アーシュラ・K・ル=グイン
3−A 時は乱れて フィリップ・K・ディック
3−B 死の迷宮 フィリップ・K・ディック
3−C 暗闇のスキャナー フィリップ・K・ディック
3−D 流れよ我が涙、と警官は言った フィリップ・K・ディック
3−E ヴァリス フィリップ・K・ディック
3−F 聖なる侵入 フィリップ・K・ディック
3−G 怒りの神 フィリップ・K・ディック&ロジャー・ゼラズニイ
3−H 銀河の壺直し フィリップ・K・ディック
3−I〜J ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック(Ⅰ・Ⅱ) フィリップ・K・ディック
3−K 最後から二番目の真実 フィリップ・K・ディック
3−L ティモシー・アーチャーの転生 フィリップ・K・ディック
3−M〜N ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック(Ⅲ・Ⅳ) フィリップ・K・ディック
3−O テレポートされざる者 フィリップ・K・ディック
3−P あなたを合成します フィリップ・K・ディック
3−Q シミュラクラ フィリップ・K・ディック
3−R 虚空の眼 フィリップ・K・ディック
3−S アルファ系衛星の氏族たち フィリップ・K・ディック
3−T ブラッドマネー博士 フィリップ・K・ディック
3−U アルベマス フィリップ・K・ディック
4−A ノヴァ急報 ウイリアム・S・バロウズ
4−B 爆発した切符 ウイリアム・S・バロウズ
5−A レベル・セブン モルデカイ・ロシュワルト
6−A 万華鏡 レイ・ブラッドベリ/
6−B ブラッドベリは歌う レイ・ブラッドベリ
7−A カインの市 ケイト・ウイルヘルム
7−B クルーイストン実験 ケイト・ウイルヘルム
7−C 杜松の時 ケイト・ウイルヘルム
7−D 鳥の歌いまは絶え ケイト・ウイルヘルム
8−A 妖精物語からSFへ ロジェ・カイヨワ
9−A・C・D・F・G 《ステンレス・スチール・ラット》 ハリイ・ハリスン
9−B 囚われの世界 ハリイ・ハリスン
9−E 大西洋横断トンネル、万歳! ハリイ・ハリスン
10−A 大地への下降 ロバート・シルヴァーバーグ
10−B 確率人間 ロバート・シルヴァーバーグ
10−C 内死 ロバート・シルヴァーバーグ
10−D 内側の世界 ロバート・シルヴァーバーグ
11−A〜B 『ザ・ベスト・オブ・サキ』『同Ⅱ』 サキ
12−A 解放された世界 H・G・ウエルズ
12−B 神々のような人びと H・G・ウエルズ
12−C ザ・ベスト・オブ・H・G・ウエルズ H・G・ウエルズ
13−A 旅に出る時ほほえみを ナターリヤ・ソコローワ
14−A 猿とエッセンス オルダス・ハックスリイ
15−A 口に出せない習慣、奇妙な行為 ドナルド・バーセルミ
15−B 罪深き愉しみ ドナルド・バーセルミ
15−C アマチュアたち ドナルド・バーセルミ
16−A 失われた部屋 フィッツ=ジェイムズ・オブライエン
17−A クローン リチャード・カウパー
17−B 大洪水伝説 リチャード・カウパー
18−A 馬的思考 アルフレッド・ジャリ
19−A〜C 《タルタロスの世界》 ブライアン・M・ステイブルフォード
19−D〜I 《宇宙飛行士グレンジャーの冒険》 ブライアン・M・ステイブルフォード
20−A ムーンスター・オデッセイ デイヴィッド・ジェロルド
20−B H・A・R・L・I・E デイヴィッド・ジェロルド
21−A バロック協奏曲 アレッホ・カルペンティエール
22−A 334 トマス・M・ディッシュ
22−B 歌の翼に トマス・M・ディッシュ
22−C キャンプ・コンセントレーション トマス・M・ディッシュ
23−A ウルフヘッド チャールズ・L・ハーネス
24−A 時は準宝石の螺旋のように サミュエル・R・ディレーニ
24−B エンパイア・スター サミュエル・R・ディレーニ
24−C アプターの宝石 サミュエル・R・ディレーニ
25−A 五月革命'86 ジャック・ステルンベール
26−A 緑色遺伝子 ピーター・ディキンスン
26−B キングとジョーカー ピーター・ディキンスン
26−C 生ける屍 ピーター・ディキンスン
27−A ナボコフの一ダース ウラジミール・ナボコフ
28−A 枯草熱 スタニスワフ・レム
28−B 天の声 スタニスワフ・レム
28−C 浴槽で発見された手記 スタニスワフ・レム
29−A 楽園の崩壊 ジョーン・D・ヴィンジ
30−A 蛾 ロザリンド・アッシュ
30−B 嵐の通夜 ロザリンド・アッシュ
31−A〜E 《ダーゼック》 ロイド・ビッグルJr.
32−A ラーオ博士のサーカス チャールズ・G・フィニー
33−A 新しいSF ラングドン・ジョーンズ編
33−B レンズの眼 ラングドン・ジョーンズ
34−A 女の千年王国 ヴァージニア・キッド編
35−A 飛行する少年 ディディエ・マルタン
36−A 不安定な時間 ミシェル・ジュリ
36−B 熱い太陽、深海魚 ミシェル・ジュリ
37−A 迷宮の神 コリン・ウィルスン
37−B ラスプーチン コリン・ウィルスン
38−A 影のジャック ロジャー・ゼラズニイ
38−B わが名はレジオン ロジャー・ゼラズニイ
38−C ロードマークス ロジャー・ゼラズニイ
39−A コンピュータ・コネクション アルフレッド・ベスター
40−A バドティーズ大先生のラブ・コーラス ウイリアム・コッツウィンクル
41−A 愛しき人類 フィリップ・キュルヴァル
42−A アルクトゥールスへの旅 デイヴィッド・リンゼイ
42−B 憑かれた女 デイヴィッド・リンゼイ
43−A 伝授者 クリストファー・プリースト
43−B 逆転世界 クリストファー・プリースト
43−C アンティシペイション クリストファー・プリースト編
44−A〜B 『灰と星』『オメガ・ポイント』 ジョージ・ゼブロウスキー
45−A ブロントメク! マイクル・コニイ
45−B ハローサマー、グッドバイ マイクル・コニイ
45−C 冬の子供たち マイクル・コニイ
45− D カリスマ マイクル・コニイ
46−A 猫城記 老舎
47−A・B・E 《ホレイショ・スタブス》 ブライアン・W・オールディス
47−C 世界Aの報告書 ブライアン・W・オールディス
47−D マラキア・タペストリ ブライアン・W・オールディス
48−A ビアドのローマの女たち アントニイ・バージェス
48−B アバ、アバ アントニイ・バージェス
48−C どこまで行けばお茶の時間 アントニイ・バージェス
49−A 殉教者聖ペテロの会 ジョン・ソール
50−A どこからなりとも月にひとつの卵 マーガレット・セントクレア
51−A コスミック・レイプ シオドア・スタージョン
51−B スタージョンは健在なり シオドア・スタージョン
52−A パステル都市 M・ジョン・ハリスン
53−A 二重の影 フレデリック・ターナー
54−A この狂乱するサーカス ピエール・プロ
55−A 深き森は悪魔のにおい キリル・ボンフィリオリ
56−A 愛の渇き アンナ・カヴァン
56−B ジュリアとバズーカ アンナ・カヴァン
56−C 氷 アンナ・カヴァン
57−A メデューサの子ら ボブ・ショウ
57−B 去りにし日々、今ひとたびの幻 ボブ・ショウ
57−C おれは誰だ? ボブ・ショウ
57−D 眩暈 ボブ・ショウ
57−E 見知らぬ者たちの船 ボブ・ショウ
58−A スリランカから世界を眺めて アーサー・C・クラーク
59−A 夢幻会社 J・G・バラード
59−B ザ・ベスト・オブ・J・G・バラードⅠ J・G・バラード
60−A 2018年キング・コング・ブルース サム・J・ルンドヴァル
61−A はざまの世界 ノーマン・スピンラッド
62−A フィーメール・マン ジョアナ・ラス
63−A 沈黙の声 トム・リーミイ
63−B サンディエゴ・ライトフット・スー トム・リーミイ
64−A 異星の人 ガードナー・ドゾア
65−A マイロン ゴア・ヴィダル
66−A フレドリック・ブラウン傑作集 フレドリック・ブラウン
67−A アースウインド ロバート・ホールドストック
67−B リードワールド ロバート・ホールドストック
68−A 去勢 キングズリイ・エイミス
69−A ジョン・コリア奇談集 ジョン・コリア
70−A ベストSF1 ハリイ・ハリスン&ブライアン・W・オールディス編
71−A マーシャン・インカ イアン・ワトスン
71−B ヨナ・キット イアン・ワトスン
72−A 夢の蛇 ヴォンダ・マッキンタイア
72−B 脱出を待つ者 ヴォンダ・マッキンタイア
73−A ドロシアの虎 キット・リード
74−A 人生ゲーム D・G・コンプトン
75−A 着飾った捕食家たち ピエール・クリスタン
76−A マイクロノーツ ゴードン・ウイリアムズ
77−A シンディック シリル・M・コーンブルース
78−A〜C 最新版SFガイドマップ デイヴィッド・ウイングローブ編
79−A〜F 《バトルフィールド・アース》 ロン・ハバード
80−A スラデック言語遊戯短編集 ジョン・スラデック
81−A 老いたる霊長類の星への賛歌 ジェイムズ・ティプトリーJr.
82−A〜B V(上・下) A・C・クリスピン
83−A 悪魔は死んだ R・A・ラファティ
83−B イースターワインに到着 R・A・ラファティ
84−A〜C 《ホースクラン》 ロバート・アダムス
85−A パヴァーヌ キース・ロバーツ

コラム/牧眞司
サンリオSF文庫創刊時の昂奮
SF百科図鑑
異色のガイドブック 『神という機械への夢』
訳文について
サンリオのSF単行本
未刊行作品
サンリオ未刊行で他社から出た作品
表紙絵五傑
裏表紙の紹介文がスゴい!
編集者インタビュー

サンリオ文庫を総まくりでレビュー 牧眞司
あとがき 牧眞司
この本を書いたひとたち

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『サンリオSF文庫総解説』をおもとめ、お読みくださったみなさま

愛読・愛用いただき、ありがとうございます!

■□■ 第2刷での訂正点 ■□■

同書第1刷の書誌・作家情報、記述内容などにおいて、若干の不備がありました。

以下は、第2刷において訂正した箇所です。

○ p.17 上段13行目

『杜松の時』 → 『クルーイストン実験』

○ p.117 『浴槽で発見された手記』別訳の情報を追加。

深見弾による別訳『浴槽で発見された日記』が集英社から刊行(1980年)

○ p.140 『アルクトゥールスへの旅』再刊の情報を追加。

文遊社から再刊(2014年)

○ p.142 1段目うしろから3行目

『夢幻諸島』 → 『夢幻諸島から』

○ p.146 表題部分

訳者あとがき → 山田和子[解説](『灰と星』)/訳者あとがき(『オメガ・ポイント』)

○ p.149 1段目6行目

ウェールズ地方 → イギリス南西部

○ p.170 『ザ・ベスト・オブ・J・G・バラード』再刊の情報を追加。

ちくま文庫から再刊(1988年)

○ p.210 ハシラ

A. C. Crispin 1950- → A. C. Crispin 1950-2013

○ p.222 3段目10行目

評論「一九八五年」 → 評論「一九八四年」

○ p.113のコラム「訳文について」

サンリオSF文庫監修者・山野浩一さんからの指摘を受け、誤解を招きかねないいくつかの表現を重版よりあらためました。論旨そのものは変更はありません。

○ これ以外に、単純な誤植や表記の不統一も数箇所あり手を入れました。

『サンリオSF文庫総解説』おまけ
書名索引(簡易版)・執筆者索引 (PDFファイル:156k)

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