『芥川賞候補作全部読んで予想・分析してみました』

第163回〜172回

著者:杉江松恋、マライ・メントライン

定価1980円(税込)

2025年10月24日発売

読書の達人が鬼解釈力で挑む!!

 

こんなにおもしろすぎていいのか芥川賞!

書評家・杉江松恋と、日本文学・アニメを愛する〈職業はドイツ人〉ことマライ・メントラインによる文芸対談。

「WEB本の雑誌」の好評連載を書籍化。

■四六判並製 ■248ページ
ISBN978-4-86011608-8

[目次]

はじめに(杉江松恋) 2

第163回受賞予想 マライは遠野遥「破局」、杉江は高山羽根子「首里の馬」を推す。石原燃「赤い砂を蹴る」評価で激論 11

第164回受賞予想 両者、宇佐見りん「推し、燃ゆ」推し。砂川文次「小隊」評に軍事評論家・小泉悠乱入 27

第165回受賞予想 評価激突! くどうれいん「氷柱の声」に泣いたマライ、石沢麻依「貝に続く場所にて」にはドイツ人として違和感が 43

第166回受賞予想 両者、 石田夏穂「我が友、スミス」イチオシ。コロナの問題を文学的主題に落とし込むのはまだ早いのか 63

第167回受賞予想 杉江「好まれそうなのは、高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』」マライ「年森瑛『N/A』に読み手を引きずり込むカリスマ性が」 79

第168回受賞予想 デリケートな批判を恐れない候補作が頼もしい! 佐藤厚志「荒地の家族」を推す 95

第169回受賞予想 マライ「市川沙央『ハンチバック』が凄過ぎる!」杉江「乗代雄介『それは誠』が評価される賞でもあってもらいたい」 111

第169回選評を読んで徹底対談 杉江「俗情と結託した読みと芥川賞の間には線を引くべきだという態度が見える」マライ「『ハンチバック』衝撃の波及についてもっと読みたかった」127

第170回受賞予想 日本語表現を問う九段理江「東京都同情塔」、SNSコミュニケーションのふわふわ感がポイントの三木三奈「アイスネルワイゼン」 139

第170回選評を読んで徹底対談 マライ「『東京都同情塔』の選評に〝言い切りの回避〟を感じる」杉江「『アイスネルワイゼン』の落選は普通のエンタメっぽ過ぎるからか」155

第171回受賞予想 朝比奈秋がようやく候補に!「サンショウウオの四十九日」に減点要素が見つからない! 169

第171回選評を読んで徹底対談 杉江「際立った論点があまりなかったのは
『サンショウウオの四十九日』『バリ山行』の対極的二作授賞の安心から?」マライ「平野啓一郎氏の厳しさはインパクトあった」 185

第172回受賞予想 両者、安堂ホセ「DTOPIA(デートピア)」に注目。候補作のバリエーション豊かでおもしろかった回 199

第172回選評を読んで徹底対談 マライ「平野啓一郎氏は構造性の読み取りが図抜けていて怖い」杉江「あと山田詠美氏の素手でぶん殴りにくる感じ!」 215

特別対談 芥川賞って、今でもわからないことだらけなんですよ 229
おわりに──教養的文芸の真価と、そのアングラな普及活動に関する一考察(マライ・メントライン) 242

« 前のページ | 次のページ »