1月27日(水)

似たものどうし―慶次郎縁側日記傑作選
『似たものどうし―慶次郎縁側日記傑作選』
北原 亞以子
新潮社
1,575円(税込)
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 ただいま発売中の小説新潮2月号で、『慶次郎縁側日記傑作選 似たものどうし』刊行記念対談というのをやっていて(寺田農VS北上次郎)、そこに写真が載っている。この対談は昨年末に新宿のホテルでやったもので、対談相手の寺田さんと私がその一室の窓際に腰掛けているところが写されている。

 私、何度も書くように、2009年1月よりダイエットを始め、暮れには15キロ痩せたのである。そのうちの10キロは、2007年〜2008年の2年間で太った分とはいえ、ダイエットを開始したその2007年1月に比べれば、5キロも少ないのだ。じゃあ、すっごく痩せているのではないか、と思っていた。

 ところが、その小説新潮2月号の写真を見ると、全然痩せてない! えっ、こんなものなの? まだ、でぶじゃん! すっごいショックである。お前は鏡を見てないのかと言われるかもしれないが、鏡ではちゃんと痩せているのだ。もっともいちばんパンパンに膨れていた2008年暮れの段階でも、鏡の中ではたいしたことがなかったから、もともと鏡はあまり信用できない。

 実はこの間、ミステリマガジンの座談会が隔月で行われ、そのたびに紙面に写真が載っているのだが、こちらの写真を撮っているのは編集部の人間で、こんなことを言っては申し訳ないが、つまりは素人だ。だから太って映ってるんだろという気が、正直に言えばなくはない。だから、そちらで太めに映っていても全然気にならなかった。しかし小説新潮2月号の写真を撮ったのはプロの方なのである。もう言い訳ができない。そうか、オレはまだ太っているのか。

 ショックだったのは、数日前に机の周囲を整理していたら、額に入った写真が出てきたことだ。私と田口俊樹と鈴木恵の3人が映っている写真である。競馬場の帰りに府中で飲んだときの写真と思われる。こんなに立派な額に入れてプレゼントしてくれたのがどなたなのか、ホント申し訳ないが、覚えてない。ショックだったのは、そこに日付が入っていて、2006年10月とあったこと。つまり、私がパンパンに膨れ上がる2007年1月より、以前の写真なのだ。その後膨れて、ダイエットし、今ではその当時より5キロ減。だから、今のほうが痩せていなければならない。府中の写真のほうが太っていなければならない。それから10キロ増えて15キロ減、つまり3年前との比較で言えば5キロ減ったんだから当たり前だ。ところがその府中の飲み屋写真を見ると、小説新潮2月号の写真のほうが痩せているとは言いがたいのだ。なんと、3年前の府中の集合写真のほうがやや細めなのである! そんなばかな!

 15キロ減ったというのは間違いなのか。自宅の体重計が壊れているのか。それはどちらも考えにくいから、残されたのは、府中の飲み屋でこの写真を撮ってくれた方が天才的にうまい人だということだ。しまったままだったその額入り写真を机の隅にさっそくたてかけたが、現在の写真をその方に撮ってもらいたいと思う今日このごろなのである。