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1月14日(水)

 担当者が変わったばかりの書店さんを訪問し、新刊チラシを出して営業トークを始めたら「すいません、チラシいただいておきますので、あとでFAXでいいですか」と言われてしまった。これは注文を断るときの常套句で、ここでしつこく追うか、あっさり引き下がるかはそれぞれの営業マンの判断だろう。

 もちろんザリガニ営業の僕は、「お忙しいところ声をかけてしまいすいませんでした」とチラシを渡して、お店を後にした。

 ビルのエスカレーターを下りつつ、そもそも文庫の新刊出しをしている忙しい状況がわかっているのに自分はなぜ話かけてしまったのだろうと悔やんでいた。いつもだったらおそらく声をかけずに立ち去るか、先に「忙しそうなのでチラシだけ置いておきますね」と帰ったことだろう。今日、判断を誤ったのは、担当者が変わって2度目の訪問だったから、どうにかして名前やキャラクターを覚えてもらおうと無理をしてしまったのだ。

「あー相当悪い印象を与えちゃったから、次の訪問も厳しいだろうなあ」
 その後、沿線の書店さんを営業している間も、ずーっと悔やんでいた。

 ところが、夜、デスクワークをしていると、FAXが届いた。
 ふと見ると、昼間営業を遮られた書店さんからの注文だった。

 安堵する気持ちと次回の訪問でヘマしないよう言い聞かせたのであった。

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