4月14日(火)
- 『江戸の食生活 (岩波現代文庫)』
- 原田 信男
- 岩波書店
- 1,296円(税込)
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暖かいというよりは暑い。桜が咲いたと思ったらもう初夏だ。
息子は私の心配をよそに、朝起きたときから「幼稚園いくろー、バスいっちゃうろー」と騒いでいた。
通勤読書は『江戸の食生活』原田信男(岩波現代文庫)。その書名のとおり、江戸時代にどんな食べ物が食べられていたか、庶民や武士あるいは将軍といった階級の違いや、山の民、海の民、蝦夷、琉球など地域によっての違いなど、とことん多方面から「江戸の食」が書かれており、大変面白い。
年を重ねると食の趣向が変わるというが、私は相変わらず野菜、乳製品、ナマモノが食べられない偏食男子であるが、読書の趣味は完璧に変わってきている。例えばこの通勤読書で取り上げたように岩波文庫がここ数年で、私の書棚に増殖している。それにあわせてかどうなのかわからないけれど、私が見るテレビは、圧倒的に東京12チャンネルが急増しており、ここに岩波文庫=東京12チャンネル論が成り立つのではないかと編集部に言ってみたが、無視されてしまった。
しかし例えば私が愛する『忘れられた日本人』宮本常一は、芸能人がアポ無しでふつうの家に泊まる「田舎に泊まろう!」であり、『手仕事の日本』柳宗悦は、お宝の鑑定をする「なんでも鑑定団」だ。また『わが住む村』山川菊栄は、その街の名物をランキングで紹介する「出没!アド街ック天国」なんていうのは、さすがに無理があるか。
★ ★ ★
昨日営業で廻った書店さん2軒で、「売れてますよ!『本の雑誌 炎の営業日誌』 追加しちゃいました」と言われ、ビックリする。本屋大賞効果? そんなことないか。
本を営業したり、作ったりしているうちに、すっかり自分が本を出していることを忘れてしまっていた。そういえば、ここ最近「面白いじゃないですか!」と読者からメールも届いており、面白いんです、『本の雑誌 炎の営業日誌』(無明舎出版)と突然宣伝してみるのもたまにはいいか。Jリーグが開幕したので、観戦のおともにどうぞ。
★ ★ ★
愛すべき町の本屋さん、茗荷谷のBOOKsアイさんを訪問するが残念ながら店長のKさんは不在。1周年記念で開催されているサイン本フェアには小社の椎名誠や沢野ひとしのサイン本を提供しているので、ぜひお近くにお寄りの際は覗いてみて下さい。
このBOOKsアイさんを訪問して驚いたのは、我らが編集長の代表作『哀愁の町に霧が降るのだ』の三五館版が平積みされており、そこに「文庫は品切れになっていて、今読める哀霧はこれだけ!」とあるではないか。そういえば本の雑誌フェアにあわせて『本の雑誌血風録』を注文した書店さんから、新潮文庫版は品切れになっていて、朝日文庫版を並べましたと報告を受けたのであった。
そうか、私の人生を大きく変えた椎名誠の代表作は、こうやって世の中から消えていくのか。もちろん毎月文庫の新刊が出ればその分倉庫や在庫の関係から品切れ絶版になるのは、営業である私には理解ができる。
それにしても「まだまだ話は始まらないのだ」というとんでもない書き出してスタートする『哀愁の町に霧が降るのだ』が、新刊書店の文庫売場にないなんて信じられない。木村晋介が鶏ガラのすべてを食ったところで、18歳の私は文字通り「く」の字になって笑ったのである。あれが本を読んで笑った最初のときだった。そして本は面白いんだと私が初めて気付いた瞬間でもあったのだ。
息子は私の心配をよそに、朝起きたときから「幼稚園いくろー、バスいっちゃうろー」と騒いでいた。
通勤読書は『江戸の食生活』原田信男(岩波現代文庫)。その書名のとおり、江戸時代にどんな食べ物が食べられていたか、庶民や武士あるいは将軍といった階級の違いや、山の民、海の民、蝦夷、琉球など地域によっての違いなど、とことん多方面から「江戸の食」が書かれており、大変面白い。
年を重ねると食の趣向が変わるというが、私は相変わらず野菜、乳製品、ナマモノが食べられない偏食男子であるが、読書の趣味は完璧に変わってきている。例えばこの通勤読書で取り上げたように岩波文庫がここ数年で、私の書棚に増殖している。それにあわせてかどうなのかわからないけれど、私が見るテレビは、圧倒的に東京12チャンネルが急増しており、ここに岩波文庫=東京12チャンネル論が成り立つのではないかと編集部に言ってみたが、無視されてしまった。
しかし例えば私が愛する『忘れられた日本人』宮本常一は、芸能人がアポ無しでふつうの家に泊まる「田舎に泊まろう!」であり、『手仕事の日本』柳宗悦は、お宝の鑑定をする「なんでも鑑定団」だ。また『わが住む村』山川菊栄は、その街の名物をランキングで紹介する「出没!アド街ック天国」なんていうのは、さすがに無理があるか。
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昨日営業で廻った書店さん2軒で、「売れてますよ!『本の雑誌 炎の営業日誌』 追加しちゃいました」と言われ、ビックリする。本屋大賞効果? そんなことないか。
本を営業したり、作ったりしているうちに、すっかり自分が本を出していることを忘れてしまっていた。そういえば、ここ最近「面白いじゃないですか!」と読者からメールも届いており、面白いんです、『本の雑誌 炎の営業日誌』(無明舎出版)と突然宣伝してみるのもたまにはいいか。Jリーグが開幕したので、観戦のおともにどうぞ。
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愛すべき町の本屋さん、茗荷谷のBOOKsアイさんを訪問するが残念ながら店長のKさんは不在。1周年記念で開催されているサイン本フェアには小社の椎名誠や沢野ひとしのサイン本を提供しているので、ぜひお近くにお寄りの際は覗いてみて下さい。
このBOOKsアイさんを訪問して驚いたのは、我らが編集長の代表作『哀愁の町に霧が降るのだ』の三五館版が平積みされており、そこに「文庫は品切れになっていて、今読める哀霧はこれだけ!」とあるではないか。そういえば本の雑誌フェアにあわせて『本の雑誌血風録』を注文した書店さんから、新潮文庫版は品切れになっていて、朝日文庫版を並べましたと報告を受けたのであった。
そうか、私の人生を大きく変えた椎名誠の代表作は、こうやって世の中から消えていくのか。もちろん毎月文庫の新刊が出ればその分倉庫や在庫の関係から品切れ絶版になるのは、営業である私には理解ができる。
それにしても「まだまだ話は始まらないのだ」というとんでもない書き出してスタートする『哀愁の町に霧が降るのだ』が、新刊書店の文庫売場にないなんて信じられない。木村晋介が鶏ガラのすべてを食ったところで、18歳の私は文字通り「く」の字になって笑ったのである。あれが本を読んで笑った最初のときだった。そして本は面白いんだと私が初めて気付いた瞬間でもあったのだ。