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4月18日(土) 炎のサッカー日誌 2009.03

 娘のサッカーを終えて駆けつけた埼玉スタジアム。ここで行われているのは浦和レッズで初めて「楽しいサッカー」であり、「美しいサッカー」である。

 さてそういうサッカーがグラウンドで行われるようになるとどうなるか。

 スタジアムに行くのがより早くなるのである。

 我が観戦仲間は20人くらいいるのだが、たいてい当番を決めて、前日抽選係(私)と当日点呼係と分け、それ以外は、試合開始1時間前くらいにやってきていたのである。

 ところがフィンケが浦和レッズにやってきて、コンビネーションサッカーの名の下にパスが5回以上繋がるサッカーが始まり、その核として山田直輝が、まさに98年フランスワールドカップ予選時の中田英寿なみの衝撃のデビューを果たすと、試合修了とともに「早く次の試合が見たい」という欲求が心の底からわき出した。

 そして試合当日を迎えると、もはや待っていられず、いち早くスタジアムへ向かうのであった。
 私の仲間も、私自身ももう待っていられないのである。

★   ★   ★

 紛らわしい色のジャージ姿で練習する京都サンガは、埼玉スタジアムの声量と浦和のパスサッカーに圧倒されたのか、前半はまったく何もできず、ぼんやりとピッチに立っていた。

 その間をまるでマンガのようにサッカーをする山田直輝と原口元気は、おそらく「元気くんいくよ」「ありがとう直輝」と声をかけあっているのではないかと思わされるのほどのすばらしいコンビネーションでボールをつなげて行く。

 恐ろしい。浦和のサッカーが恐ろしい。かつてサッカーの情報が今ほど入ってこなかった頃、ダイヤモンドサッカーやトヨタカップを見ていて出てくるのは声援や罵声ではなかった。あるのはため息に似た驚きの声ばかりだったのであるが、今、埼玉スタジアムでサッカーを見ていると当時と同じように「おー」と声をあげてしまう。おまけに私の身体は全身鳥肌になっており、今にも夜空に飛んで行きそうだ。

 残念なのは1点しか入らなかったことで、本来であれば5対0で勝利すべき展開だった。それとこんなに素晴らしいサッカーをやっているのにたった41,836人の観客しかいなかったことだ。はっきり言って2、3000円で楽しめる世の中のすべてものと比べても、今の浦和サッカーは負けないはずだ。それはもっと素晴らしくなる。スタジアムへ行こう!

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