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5月8日(金)

 東京駅で待ち合わせし、高野秀行さんと宮田珠己さんと電車に乗り込み、一路、内澤旬子さんが引っ越した千葉県某所へ向かう。

 内澤さんはその元・居酒屋の住居でこれから豚を飼うそうなのだが、その住まいの風呂が仮設で湯気が部屋に回ってしまって大変だから壁を作って欲しいというのが今回の依頼である。「塀の匠」である我らエンタメ・ノンフ「大改造!劇的ビフォーアフター」チームは、ホームセンターへ軽トラを走らせたのであった。

 高野さんはホームセンターに興奮していたが、そうか東京の人はこういう場所が珍しいのか、とホームセンターだらけの埼玉県民の私は思ったのであった。ついでに宮田さん共々、内澤邸の周りの田んぼから聞こえるカエルの声を感動していたのであるが、それも私にとっては日常だった。

 元・機械設計科卒の私の図面を元に、几帳面の宮田さんが材料を見つくろい、高野さんがどんどん作業をしていく。いったい私たちは何をしているんだろうか? なんて考える暇がないほど3人は熱中し、内澤さんの想像していた以上に素晴らしい壁が出来上がる。まさに「エンタメ・ノンフは豚を救う」か。

 夜はそのままエンタメ・ノンフ文芸部の合宿となり、それぞれが書いた小説(!)の品評をする。私の処女作は「小説になっとらん!」「慣用表現が多すぎる!!」と厳しい指摘を受け、撃沈。立ち上がれない可能性大である。

 散々酒を飲んで、布団に横になるが、高野さん、宮田さんと川の字になり、内澤さんの手料理を食べる日が来るなんて、人生分からないものである。埼玉スタジアムで田中達也からパスをもらって、私がゴールを決める日もそう遠くない気がしてきた。

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