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5月13日(水)

ホペイロの憂鬱 JFL篇
『ホペイロの憂鬱 JFL篇』
井上 尚登
東京創元社
1,620円(税込)
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オウン・ゴール (角川文庫)
『オウン・ゴール (角川文庫)』
角川書店
741円(税込)
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 朝ニュースを見ていたら、大日本印刷グループと講談社、小学館、集英社が、ブックオフの株式約30%を取得するとあって、ひっくり返る。これで返品も売り先ができたということか?! あるいはブックオフで新刊を売るのか?!

 大日本印刷はすでに丸善やジュンク堂、主婦の友社などとも資本提携などしており、これはまさに出版業界の銀河系軍団を目指しているのだろうか。あるいはチェルシーのアブラモビッチか。足し算でなく、かけ算になるといいんだけどなあ。

 ちなみに今年のチャンピオンズリーグは、マンチェスター・ユナイテッドとFCバルセロナが決勝に残っているのだが、両チームともぶれないコンセプトの元に作り上げてきたチームである。

 まあどちらにしても地域リーグか県リーグのようなところで出版活動をしている本の雑誌社にはあまりにかけ離れた世界での出来事なので、なんだかまったくわからない。

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 通勤読書は、サッカーのJFLの用具係(ホペイロ)を主人公にした『ホペイロの憂鬱 JFL篇』井上尚登(東京創元社)。サッカーチームで起こったちょっとした事件や謎をホペイロの坂上栄作が中心となって解いていく。サッカーファンというよりは、ほのぼのミステリー好きにはいいかもしれない。

 ただ、この本のなかで「昔のサッカーボールといえば、黒と白の五角形の皮を縫い合わせ」とあるのは「五角形と六角形の皮」の間違い。私が以前勤めていた会社の編集者もワールドカップに合わせて、なぜか歯科の本の表紙にサッカーボールをデザインしようと企み、五角形をたくさんはめ込んだのだが、丸にならないと嘆いていたのを思い出す。
 
 それとサッカー・ミステリー(?)といえば、『オウン・ゴール』フィル・アンドリュース(角川文庫)が面白かったのだが、もう続編が出ることもないのだろうか。

 紀伊國屋書店新宿本店に行き、文芸書の担当者Kさんが休憩中だったので、2階をぶらついていたら、雑誌売場と文庫売場の間で、とんでもないフェアをやっていて腰を抜かす。

 作家を対決させるアイディアも素敵だが、なんと全著作に手書きのPOPがついているのだ。しかもそれが今の言葉で紹介されており、例えば『富士日記』には「ブログを書いている人にぜひ読んでほしいです。いかに日常を書くか、いかに自分を記すか。武田百合子は日記の神です」と紹介されていた。

 書店営業になって15年以上経つが、今まで見た書店のフェアで1、2を争う好フェア。というかこれが常設でないのが残念だ。

「すごっいすねー」と食事から戻られた文芸書のKさんに話を伺うとなんだか勤続1、2年の若手が集まって半年くらい前から準備していたとか。「応援したくなりますよね」と自分は関わっていないKさんもとっても嬉しそうだった。こういうのを見ると紀伊國屋書店の底力を感じてしまう。

 配られている立派な小冊子は限定のようなので、興味のある方は急がれた方がいいかも。

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 会社に戻ると浜本が「うちの会社は大蔵省印刷局に買ってもらえないかな」と呟いていた。「そうしたら『本の雑誌』の付録にお札を付けるのに」だと。

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