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5月20日(水)

 いまだに続いているランニングは、2日も間が開くと何か全身にどす黒いものが流れているような感じになり、耐えられない。しかし今夜は大竹聡さんと会う約束があるので走れない。そこで朝5時半に起きて、ランニングをした。

 私にとってランニングは身体を鍛えるということよりは、なにか精神的なものに近いと思う。もちろん根底にはサッカーがうまくなりたいという欲求があり、それはそのとおり順調に伸びているのだが、この走っているときの、いろんなことを考えてはどんどん消えて行く感じは、おそらく座禅に近いのではないか。

 そうはいっても脹ら脛や太ももはじわじわとマラドーナ化しており、なぜかそうなると人に見せたくなるのはどういうことか。「ナルシストなオレ」が目を覚ましたのであろうか。飲み会などでつい「オレの脹ら脛触ってみない?」と言いたい気持ちをぐっとこらえ、仕方ないから自分でテーブルの下に隠れた足を触っている。唯一見せても良いかなと思う家族には「だから?」なんて冷たく返され、「ナルオレ」は消化不良。

 しかしもうひとつ問題があって、ランニングで鍛えられるのは足のみ。腹もいくらか凹んだのであるが、脂肪は相変わらず付いており中年であるのは隠せない。ついナルオレの私が、ウエイトトレーニングかボディービルをしようよとささやきかけてくるのだが、そうなるとナルオレの先にいる、ホモオレが出現しそうで恐ろしい。これのどこが座禅なのかわからない。

 シャワーを浴びて出社。通勤読書は、『新潮文庫解説目録』。とある書店さんで、夏100に対抗して裏100を選ぶのを手伝って欲しいと言われているのだ。20冊くらいすぐに見つかるかと思ったが、夏100に入りそうなものを外すとなると意外と難しい。あるいは私が読んでいるような新潮社の本は文庫になっていないのかもしれない。

 しばらくプー太郎をしていた書店員さんが書店に復帰されたので訪問。その目の輝きに驚く。

「もう再就職は本屋さんじゃなくてもいいかなと考えたけど、やっぱり本屋はいいねえ」


 大竹聡さんと酒。インフルエンザが八王子に上陸したなんてことも知らず、爆笑しているうちに夜が更ける。
 

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