6月14日(日)
ピッピー!
「じゃあ、おしまいねー。集まってクールダウンしよう。」
真っ黒に日焼けしたコーチが声を上げると、一斉にグラウンドに飛び出す男たちがいた。そのなかに私もいたのだが、ゴールやコーン、マーカを片すために走っているのではない。娘たちのサッカーが終わるのをずっと待っていたのだ。なぜなら自分たちのサッカーがやっとできるからである。
娘がサッカーをやりたいと言い出したとき、私が一番心配だったのは、それを見に来る親たちであった。私が小学生のときの地元チームには常に幾人かの親たちがやってきて「走れ」だの「打て」だの叫んでいたのだ。アホか! そんなことはやっているこっちだってわかっているのだ。わかっているけれど出来ない事情があったり、あるいはそんな抽象的な指示なんて役に立たないのだ。集中って言われて集中できるやつがいるか? それなのに指示ラーとなった親たちは、試合後にコーチを差し置いて寸評などぬかしやがって、最後は決まって気合いが足りないとか言い出すのであった。
私はそういう駒場スタジアムのバックスタンドに生息しているような人間が苦手で、なるべくなら近寄りたくないし、娘も近づけたくない。だからチームの見学に行った際に一番観察したのは親たちの姿であった。ところがそこにいたのは、なぜかスパイク姿のオヤジたちで、いの一番に忠告されたのは「ダメですよ、ここに来るときはサッカーができる格好で来ないと」であり、そういうとコートの片隅でミニゲームを始めたのであった。
いまや私はすっかり娘のチームの虜である。いや娘のサッカーなんてどうでもよくて、コートが空いた瞬間にやるオヤジたちのサッカーに夢中なのである。サッカーどころ浦和のオヤジたちは本当にサッカーがうまい。高校は○○、Jリーガーの××と一緒にやっていた、なんていうのがゴロゴロいる。そういうなかでへたくそな私がボールを蹴ったり止めたりしているのだが、みんなサッカーが好きだから下手でも文句を言わない。ただボールを蹴れれば良いのである。
大騒ぎしながら4対4のミニゲームをやっていたら、後ろから思い切り突き飛ばされた。
そこにいたのは練習着姿の娘だった。
「あんたらいい加減にしなさいよ、子どもが帰れないじゃないか」
駐車場には子どもたちが集まって、我々の姿をあきれたように見つめていた。
「じゃあ、おしまいねー。集まってクールダウンしよう。」
真っ黒に日焼けしたコーチが声を上げると、一斉にグラウンドに飛び出す男たちがいた。そのなかに私もいたのだが、ゴールやコーン、マーカを片すために走っているのではない。娘たちのサッカーが終わるのをずっと待っていたのだ。なぜなら自分たちのサッカーがやっとできるからである。
娘がサッカーをやりたいと言い出したとき、私が一番心配だったのは、それを見に来る親たちであった。私が小学生のときの地元チームには常に幾人かの親たちがやってきて「走れ」だの「打て」だの叫んでいたのだ。アホか! そんなことはやっているこっちだってわかっているのだ。わかっているけれど出来ない事情があったり、あるいはそんな抽象的な指示なんて役に立たないのだ。集中って言われて集中できるやつがいるか? それなのに指示ラーとなった親たちは、試合後にコーチを差し置いて寸評などぬかしやがって、最後は決まって気合いが足りないとか言い出すのであった。
私はそういう駒場スタジアムのバックスタンドに生息しているような人間が苦手で、なるべくなら近寄りたくないし、娘も近づけたくない。だからチームの見学に行った際に一番観察したのは親たちの姿であった。ところがそこにいたのは、なぜかスパイク姿のオヤジたちで、いの一番に忠告されたのは「ダメですよ、ここに来るときはサッカーができる格好で来ないと」であり、そういうとコートの片隅でミニゲームを始めたのであった。
いまや私はすっかり娘のチームの虜である。いや娘のサッカーなんてどうでもよくて、コートが空いた瞬間にやるオヤジたちのサッカーに夢中なのである。サッカーどころ浦和のオヤジたちは本当にサッカーがうまい。高校は○○、Jリーガーの××と一緒にやっていた、なんていうのがゴロゴロいる。そういうなかでへたくそな私がボールを蹴ったり止めたりしているのだが、みんなサッカーが好きだから下手でも文句を言わない。ただボールを蹴れれば良いのである。
大騒ぎしながら4対4のミニゲームをやっていたら、後ろから思い切り突き飛ばされた。
そこにいたのは練習着姿の娘だった。
「あんたらいい加減にしなさいよ、子どもが帰れないじゃないか」
駐車場には子どもたちが集まって、我々の姿をあきれたように見つめていた。