5月27日(木)
通勤電車のなかで一通のメールが届く。
差出人はずいぶん長い間お世話になっていた書店員さんだった。その書店員さんは二人目のお子さんを出産した後も職場に復帰したのだが、配属先が書籍売り場からCD売り場となり、ここしばらくお会いしていなかった。
メールの件名には「転職しました」とあり、転職先は「あえて出版業界を離れ」たと書き記されていた。
私はいつも一番苦しいとき常磐線に乗って、その書店員さんに会いに行っていた。すると決まってその書店員さんは笑顔で「杉江ちゃん、何言ってんのよ、元気出しなよ!」と背中を叩かれ、お客さんとの愛情あふれる本のやり取りを話してくれたのであった。その話を聞いていると私はいつの間にか心が軽くなり、もう少しがんばってみようと思うのでだ。
あんなに本と本屋さんが好きだった人が「あえて」離れる出版業界とは、いったいどんな業界なんだろう。ああ、涙が止まらない。
★ ★ ★
夜、前田司郎さん作・演出の演劇「家の内臓」を見に行く。
私は演劇を見るのがは初めてで、どちらかというと生身の人間が目の前で「演技」することに抵抗を感じていたのだが、灯りが暗くなり、舞台に役者さんがあがるとすぐに、そのあまりの演技の自然さ(それは多分に前田さんの脚本と演出によるものだと思うが)に引き込まれ、しかも主演の平田満さんの熱演に夢中になってしまった。
これはまさにサッカーに似た、その場限りの面白さであり、新たな趣味を見つけた予感。散々腹を抱えて笑った後、会場である「雑遊」のオーナーである太田篤哉さんの半ば強制的な追込み漁によって池林房で酒。
差出人はずいぶん長い間お世話になっていた書店員さんだった。その書店員さんは二人目のお子さんを出産した後も職場に復帰したのだが、配属先が書籍売り場からCD売り場となり、ここしばらくお会いしていなかった。
メールの件名には「転職しました」とあり、転職先は「あえて出版業界を離れ」たと書き記されていた。
私はいつも一番苦しいとき常磐線に乗って、その書店員さんに会いに行っていた。すると決まってその書店員さんは笑顔で「杉江ちゃん、何言ってんのよ、元気出しなよ!」と背中を叩かれ、お客さんとの愛情あふれる本のやり取りを話してくれたのであった。その話を聞いていると私はいつの間にか心が軽くなり、もう少しがんばってみようと思うのでだ。
あんなに本と本屋さんが好きだった人が「あえて」離れる出版業界とは、いったいどんな業界なんだろう。ああ、涙が止まらない。
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夜、前田司郎さん作・演出の演劇「家の内臓」を見に行く。
私は演劇を見るのがは初めてで、どちらかというと生身の人間が目の前で「演技」することに抵抗を感じていたのだが、灯りが暗くなり、舞台に役者さんがあがるとすぐに、そのあまりの演技の自然さ(それは多分に前田さんの脚本と演出によるものだと思うが)に引き込まれ、しかも主演の平田満さんの熱演に夢中になってしまった。
これはまさにサッカーに似た、その場限りの面白さであり、新たな趣味を見つけた予感。散々腹を抱えて笑った後、会場である「雑遊」のオーナーである太田篤哉さんの半ば強制的な追込み漁によって池林房で酒。