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10月26日(水)

フットボールサミット第4回 カズはなぜ愛されるのか? ―いままで語られなかった「三浦知良」論―
『フットボールサミット第4回 カズはなぜ愛されるのか? ―いままで語られなかった「三浦知良」論―』
田崎健太,ミカミカンタ,菊地正典,海江田哲朗,沢田啓明,浅川俊文,吉崎エイジーニョ,加部究
カンゼン
1,404円(税込)
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 通勤読書は、「フットボールサミット」第4回「カズはなぜ愛されるのか?」(カンゼン)である。雑誌のような書籍のこのシリーズは、中田英寿の真実に迫ってみたり、震災後のJリーグを検証してみたりと、目の離せないサッカー本なのであるが、今回は、我らがキングカズである。果たしてどうやって切り込んでいくんだろうと思ったら、いきなり冒頭の「親父が語るカズ」(田崎健太)にやられてしまった。

 カズの父親といえばほとんど語られることがなく、ダークなイメージばかりがまことしやかにつぶやかれていたのだが、いやはやこれはまさに「人物」ではないか。60年代に世界へ飛び出しW杯を目撃、帰国後は日本初のサッカー専門ショップを開店。サッカー少年団やサッカークラブを作りサッカーとともに歩き出すが、知人から預かった荷物に覚醒剤が入っており、逮捕。その後はブラジルに渡り、そしてカズを呼び寄せる......おそらくその行動力の凄さと常に金が動いているため日本では嫌われるタイプなのであろうが、『祖母力』祖母井秀隆(光文社)と対局をなすサッカーバカであることは間違いない。できることならカズのお父さんだけで本を1冊作って欲しい。

 サラリーマンの多い書店さんで、最近の文芸書のカバーデザインについて話される。

「『のぼうの城』や『謎解きはディナーの後で』以降、漫画っぽいイラストのカバーが増えていますけど、やっぱり年配の人は買いにくいにみたいですね。うちのお店だと売れないんです」

 実は私も『舟を編む』三浦しをん(光文社)の帯や表紙が恥ずかしかったのだが、本のデザインはほんとうに難しい。

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