2月27日(月)マネージャーに就任した一日
朝、通勤電車のなかで今日やるべき仕事を手帳に書き出しているのだが、本日は欄をハミ出し、明日、明後日のページまで書き進んでしまう。手帳はハミ出せても実際の仕事はハミ出せぬ。
せめて電車のなかだけでも息抜きしようと椎名誠『ソーメンと世界遺産』(集英社文庫)を読む。相変わらずこの「サンデー毎日」連載のエッセイ「ナマコのからえばり」シリーズは、椎名イズム全開で面白い。
出社! と同時にまなじりを決してデスクワークに勤しむ。やればできるやればできるやればできると念じるも時間と集中力の限界を感じ、明日でもいいんじゃないかと思い出し営業に出かける。荻窪のTitleさんを訪問すると平日の午後3時なのに、お客さんがいっぱい。
店主の辻山さんに「すごいですね」と声をかけると「普通のことを普通にやっているだけなんですけどね。それだけみんなが普通にできない状況になっているってことじゃないですかね」といつものクールな調子でつぶやかれるが、私の知っている多くの書店さんも「普通」かあるいは「普通以上」にやっているんだけれど、なかなかこうもいかない。一年間の記録『本屋、はじめました』(苦楽堂)を購入し、中央線沿線を営業。
夕方、神保町に戻り、高野秀行さんと打ち合わせ。『謎の独立国家ソマリランド』の発表以降、各所からイベントや講演、取材の依頼が高野さんに殺到しているのだけれど、これまですべて高野さん自身で対応していた。しかし、このままでは執筆活動に支障が出るということで、その辺の対応をすべて私が引き受けることにする。
これまで営業、編集、取締役(本の雑誌社)に、理事(本屋大賞実行委員会)と発行人(208GATE)とあった肩書きにマネージャー(高野秀行)が加わる。
一旦会社に戻り、デスクワークを若干進めたのち、東京駅の黒塀横丁へ。
M書店Sさんと飲む。同席した出版社の営業マンが、私が最も憧れている書店販促紙『ベレベレ通信』の発行元ベレ出版の方で、その制作秘話を伺おうと思ったものの、なんと鹿島アントラーズサポとのことで撃沈。