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3月29日(木)

 事務の浜田がアフロヘアにしたいと言っている。

 これ以上パンチ効かせてどうするんだろうか。

3月26日(月)

  • 怠惰の美徳 (中公文庫)
  • 『怠惰の美徳 (中公文庫)』
    梅崎 春生,荻原 魚雷
    中央公論新社
    990円(税込)
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    honto

 心身ともに疲労困憊で体調不良。薬を飲んだら一段と具合悪くなる。

 午前中、辺境ドトールにて高野秀行さんと打ち合わせ。会うなり「髪を切っても伸ばしても杉江さんは高校生にしか見えない」と笑われる。先日は、内澤旬子さんからも「初めて会ってからずいぶん経つけどまったく変わらない」と驚かれたのである。

 いや、それどころか、息子と二人でスーパーで買い物をしていたら隣で牛乳を買い求めていたおばさんから、「あら?!仲のいい兄弟ね」と褒められたのだった。仲はいいけど、兄弟じゃねーし。中一と46歳の父親だしと憤っていたら、近所のお父さんからも息子の友達だと思われて話しかけられたのだった。

 もはやこの童顔は病気かもしれない。あるいは高校時代、まったく学校に通わなかったせいでかけられた呪いなのかもしれない。

 午後は営業。棚の入れ替え中で大わらわの渋谷のHMV&BOOKSで担当のSさんに「生きづらい系の女性エッセイが増えてますね」と話しかけると、「男性は孤独が増えてますよ」と教えていただく。コーナーを作ったら売れているそうだ。

 その後、オープンしたのでぜひ覗いて見てくださいとおすすめいただいた日比谷のHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEさんを訪問。こちらのお店は"すべての女性たちが、忙しい日々の中でふと立ち止まり、軽やかに歩き出す力を得る『東京の真ん中の小さな別荘』のような女性のための本屋"をコンセプトにされている。

 シャンテの前には今週木曜日に東京ミッドタウン日比谷がオープンし、その中には"クリエイティブディレクター南貴之と老舗書店の「有隣堂」が出会って生まれた、どこの国とも時代ともつかない、小さな街のような複合型店舗"が開店する。

 いろんなコンセプトな本屋さんが生まれている。

 夜、ふらふらとなって帰宅。風呂に入って、食事した後、息子から明日友達が泊まりに来るから父ちゃんの激ウマケーキ食わせたいとリクエストされていたシフォンケーキを焼く。自身の熱を下げるため早く寝たいのに、焼きあげた生地が冷めるのを待つ必要があり1時間ほどオーブンの前で読書。『怠惰の美徳』梅崎春生著/荻原魚雷編(中公文庫)。すこぶる面白い。

 シフォンケーキは上々の出来。薬を飲んで布団に潜り込む。

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3月13日(火)

  • 津波の霊たちーー3・11 死と生の物語
  • 『津波の霊たちーー3・11 死と生の物語』
    リチャード ロイド パリー,Richard Lloyd Parry,濱野 大道
    早川書房
    1,980円(税込)
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 リチャード・ロイド・パリー『津波の霊たち』(早川書房)読了。ルーシー・ブラックマン事件を描いた前作『黒い迷宮』は、これが日本なのか!?と驚く傑作事件ノンフィクションだったけれど、この『津波の霊たち』は、これが日本人なんだなと日本人ながら教えられる一冊だった。

 タイトルや帯のコピーにある"霊"や"心霊現象"から思い浮かべるようなオカルトな話でなく、日本人なら当然あると思っているもっと身近な"魂"を扱ったルポルタージュ。外国人が見た"震災と日本人"といった感じで冷静な視点で描かれるものの、涙なしにというか、何度も胸が押しつぶされそうになってしまった。

 朝、出社して、倉庫に『絶景本棚』の在庫部数を確認。予想していたものの、それ以上に注文が溜まっていたようで、一夜にして在庫が大変心もとない状況になっていた。頬をつねりながら、4刷めを決め、編集の高野と印刷所へ連絡。もしかしたらタヌキに化かされているのかもしれない。

 何度も書いているし、ほかの仕事もそうかもしれないけれど、出版営業の難しいところは、今出ている本の仕事をやりつつ、これから出る本の準備もしなければならず、さらにいえばずっと前に出た本にも目配せをし、また売れている本とともに、まだそれほど売れていない本も売れるよう策を練らねばならず、様々な状況の仕事を同時にこなすことだろう。

 というわけで、午前中は5月の新刊案内とDM作りに勤しみ、昼は尊敬する出版人でありサッカープレイヤーの芸術新聞社の相澤社長と「げんぱち」でランチ。午後は中央線を営業。

 夜、本屋大賞の会議。まさか酒飲み話の延長で始まった本屋大賞が15年めを迎えるとは。そしてもう準備段階から含めると16年もこうやって毎月、実行委員で集まることになろうとは。何のために?と訊かれたら、本のために、だ。

 4月10日の発表に向けて夜遅くまで打ち合わせ。

3月12日(月)

  • PITCH LEVEL: 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法
  • 『PITCH LEVEL: 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』
    大樹, 岩政
    ベストセラーズ
    1,485円(税込)
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  • マヌエル・ノイアー伝記
  • 『マヌエル・ノイアー伝記』
    ディートリッヒ・シュルツェ=マルメリンク,吉田 奈保子,山内 めぐみ
    実業之日本社
    1,760円(税込)
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    honto

 Jリーグが開幕するのをあんなに楽しみにしていたのに、いざ始まったら週末の度にどんどん具合が悪くなっていく...。

 朝、出社するとすぐに待ちに待った『絶景本棚』重版分3刷が印刷所からやってくる。今回も編集の高野は印刷所のトラックに同乗し、各取次店や物流倉庫へ本が納品されるまで見届ける気合の入りよう。その姿に感動を覚える。

 すぐさま直納の準備に勤しむも一旦深呼吸し、今日やるべき他の仕事を手帳に書き出す。いきなりお祭りが始まってしまうと本来のやるべき仕事がすっぽり抜け落ちてしまったりするのだ。先日も帰宅した瞬間に思い出し血の気が引く想いをしたのであった。

 仕事の呼吸を整えてから、各書店さんに直納に向かう。それと同時に本棚写真をB2サイズに引き伸ばしたパネルを東京堂書店さんへ届け、開店間際に設置作業。東京堂書店さんのカフェが、まさに絶景に。このパネルも編集の高野が休日出勤して製作したもので、その獅子奮迅の働きに頭が下がる。高野の頑張りに報いられるよう自分も頑張る。

 都内各所に直納を終えると夕刻に。前日の自身のサッカーの疲労も溜まっていたので足が棒のようになっているも、これほど心地よい疲れもない。足を引きずりながら、神田明神の明神会館へ。出版社カンゼンさん主催の『サッカー本大賞2018』の受賞式。今回の受賞作は、我が元祖サッカー本大賞と同じ岩政大樹『PITCH LEVEL』(ベストセラーズ)で、これはサッカーを初めてプレイヤー目線で思考し言語化した類い稀なサッカー本であるので、非常に納得な選考結果。読者賞も同時受賞。翻訳サッカー本大賞は、ディートリッヒ・シュルツェ=マルメリンク『マヌエル・ノイアー伝記』(実業之日本社)で、こちらは未読だったので、早速読むこととす。

 会場には鍛え上げられた身体の岩政選手(兼監督)を始め、司会の倉敷保雄さん、後藤健生さんなど多くの著作や誌面で存じているサッカーライターの方がおり、カバンの中には隙をみてサインをねだろうとしていた様々な本が入っていたにも関わらず、結局どなたにも声かけることもできず、緊張のまま退散。情けなし。

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